第19話 識宮玲は勝負下着をつけています...一応ね?
◇後日 PM5:45
いつも通りの時間に仕事を終わらせると急いで帰宅。
そして、改めて身なりを整えてからまたしても急いで連絡をする。
『もう終わった?』
『もう少しかかるかも』
『じゃあ、会社の前で待ってるね。夜ご飯とかの材料とか買いたいし、住所教えてもらっていい?』
そうして、会社の住所を教えてもらいマップを頼りにすぐに向かう。
まるで学生時代のお泊り的な楽しさに心を躍らせながら、家を飛び出すのであった。
◇会社前 PM7:15
急ぎ目に会社を出ると、そこには携帯のカメラで前髪を整えている識宮さんの姿があった。
そして、俺に気づくと少し照れたように笑いながら...「えへへ...見られちゃった//」と笑う。
そんな姿に俺も少し照れてしまう...。
そのまま仲良く二人でスーパーで食材を選ぶ。
「添田くんは何が好き?」
「...えぇ...うん...なんだろうな...でも普通にカレーとかかな?この前、風夏にも作ってもらって...あ、識宮さんは何が好」と言いかけると頬を膨らませる識宮さん。
ハムスターみたいで可愛い。
「ふーん、そう?そうなんだー。そりゃ彼女だもんねぇ~...ていうか、いつまでさん付けで呼ぶの?もうそろそろ私のことも呼び捨てで...呼んでほしいんだけど?」
いや...敬語辞めただけでも結構進歩なんだけどな...。まぁ、確かに苗字呼び+さん付けは確かにかなり距離あるよな。でも、それを言ったら識宮さんも同じなのだが...。
「善処します」
「おいおい、私は上司か!」と、可愛くツッコまれる。
「ちなみにカレーはねー、社会人1年目の時に研究しまくったから自信あるよ?あっちなみに私もカレー好きだよ?一番は...餃子かな?餃子すごい好き。だけどほら、餃子はにおいがね...?」
「餃子いいよね。確かににおいが「...千?」と声を掛けられる。
そこに居たのは元彼女であった。
「...なんで...」
「ん?誰?」と、首を傾げる識宮さん。
俺はそのまま識宮さんの手を取り、その場を離れる。
「ちょ!?//何!?//」
「...ごめん...」
「あっ...あの人がもしかして元カノさんだった?」
「...うん」
「そっか...かわいい子だったね」
「...そう...だね」
◇
久しぶりに千にあった...。
そっか...私と別れてあんな可愛い子と付き合えたんだ...。
けど、次の恋に行けたことは素直に喜ぶべきだろう。
振ったくせにまだ自分のことを思っていてくれたらなんて...そんな虫がいい話はないだろう。
あんな最低な振り方をした私もまた、彼に振られてしまったのだ。
...私もまた彼にとって浮気相手だったのだ。
本当...馬鹿な話で馬鹿な女だ。
「...今更会ったからって...何も関係ないでしょ」
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