第9話 出会い

入学式から何日か経ち、部活の紹介などの新入生歓迎会的なものが行われたり委員会も決め高校生活が始まった。


授業が終わり僕はくまさんのところへ行った。

途中人の鞄に躓きそうになった時、ギャルの人に助けてもらいました。


「うちの鞄邪魔だったねーごめん!」


「僕の方こそ大事な鞄を躓いたとはいえ、蹴っちゃってごめんなさい!」


「いーのいーの。うちが悪かったって言ってるっしょ~。あの男子に用があるんでしょ!ほらうちのことは気にしないで行ってきな~」


「はい!」


「かわよ・・・・」

堕とされて

蒼唯にギャルが最後に言った言葉は聞こえなかった。

そして蒼唯の知らぬ内に、「はい!」の時の笑みにギャルとその友達数人が堕とされたのだった。



「くまさん、さっきの応用のところ理解出来ましたか?」


「まぁ、何個かはわかったぜー。にしてもあおちは基礎は完璧に出来るのに、応用になるとちょっと出来なくなるのは相変わらずだな」


「流石ですね!そうですね。でも応用をひたすら繰り返して、出来るようになるまで頑張ります!」


「いつになく燃えてるなあおち!数学は俺の得意分野だから分からなくなったら何時でも聞いてくるんだぞー?代わりに古文とかそういうのをあおちには頼むけどな!はは」


「ありがたいです!分かりました。任せてください!」


「おう!っとチャイムがそろそろ鳴るぞ。あおちまた後でな」


「はい。では」


そうして僕は席に戻っていった。




英語の時間。

私は先生にあてられた。


「えーっと涼白さん、~に付き添う,~に同行するを英語で何と言いますか?」


「えー・・・accompanyです」


「正解です」


ふぅー何とか乗り切った。昨日偶々教科書を読んでてほんとうによかった。


英語の授業が終わるまで何人か先生にあてられてたけど、もしそれが私だったら危なかった問題ばかりだった。

私は暗記をし終わるのに結構かかるタイプだから、小テストには何とか間に合わせたい。


授業が終わってさくに声を掛ける。


「いやー英語無理。さく様何かいい方法はないでしょうか??」


「んーとね。とにかく単語を暗記して意味を理解し自分で文章を作る!とか?」


「はい・・・。地道に頑張ります」


「まあまあ、愛莉ならやれるって!」


励ましてあげるけども私は愛莉が負けることを願ってるの。ごめん愛莉!と思いながら英語に打ちのめされている親友をみて思った。




そしてお昼ご飯の時間となった。


「くまさん今日は学食ですか?お弁当ですか?」


「学食!ってことであおち早速食堂にいくぞー」


「はーい!何を食べようかなー」


何を食べるか考えながら僕たちは食堂に来た。

学食の値段は全部500円以下である。


そしてこの朝陽川高校には伝説の給食の聖母がいるらしい。

その聖母と言われる人に500円渡すと、渡した相手の「体調・好み」が全て分かるらしく、その人に合った適切な食事と量を一瞬で把握し作ってくれるらしい。


今日はその聖母さんは居ないらしく、列は出来ていなかった。


僕はトマトカニクリームパスタにしようかと思ったけど、生ハムサラダもいいなー。


「あおち何にするか決まったかー?おれはカツカにしたぞ!」


「じゃあ僕は、パスタにしようかサラダにしようか迷ったんですけど、きつねうどんに決めました!」


「んじゃ、いくぞー!」


「おー!」


僕とくまさんがそれぞれ食べるものを買い終え、空いていた席に座る。

すると横から、


「僕も混ぜてもらってもいいかい?」


と男の子が声を掛けてきた。

確かこの人は、


「まだ名前を憶えていないかもしれないから一応名乗るね。僕は松下 たける。よろしく!」


「僕たちのクラスの学級委員さんですよね!僕は鐘白蒼唯です!隣いいですよ」


「俺は熊谷麗王!よろしくなーいいんちょ」


「うん、鐘白君と熊谷君覚えた。では座らせていただくね」


「いいんちょなんで俺たちのところに来たんだ?」


「学級委員長になったからね。まだ話せてない人と話しておきたくて」


「その行動力尊敬します!!」


「俺も尊敬するぜ」


「ありがとう。なんか照れくさいな・・」


照れくさそうにしている委員長と蒼唯達は食べながら友好関係を作っていった。







放課後。

一年生は部活の見学をしに行っていた。


僕はくまさんと一緒に見て回っていた。

くまさんはバドミントに入ると決めているけど、他の部活も見たかったらしい。


「あおち次バレー部見に行こうぜー」


「うん!それにしてもどこの部活も気合入ってましたね。どの部活も県大会何回も出れるほどらしいですね!」


「全国目標に掲げてて熱いな!」


熱量が半端ないのが見てて伝わった。


しかしこの熱量の前に未経験の者が入りにくいのでは?と思うだろう。ただこの朝陽川高校では、初心者の部というのようなものがありそこで優しく教えてもらえる。

勿論はハマってガチ勢たちの巣窟に行くことも可能だ。

あくまでただ運動系の部活に入りたければそこに入ればいい。

本気の人達怖いという感情を持たれる前に部活紹介の時ユーモアにやるのが伝統らしい。


バレー部が練習しているところに着いた時、僕の足元にボールが転がってきた。


「すいません!ボール、体とかに当たってないですか?」


「はい!転がってきただけなので、隣の彼も大丈夫です!」


「こいつの言うとり大丈夫です先輩!」


「よかった。そこの君ボールありがとう」


「はい!練習頑張ってくださいね!」


「あ・・・ああ」


笑顔で言う僕に先輩は顔を赤くしながら去っていった。

それにしても背が高かった・・・。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――—— 

最後の先輩ですが、男子バレーのエースをしています。

顔が赤くなったのは何故なのか・・・

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