第7話 一緒に帰ろう!
愛莉たちは担任の先生と共に、これから一年間過ごすことになる教室へと歩き出した。
1-2。そう書いてある教室に入っていった。
ちなみに、クラスは全部で四クラス。大体一クラスに28~30人くらいで、新一年生は115人。
「皆さん自分の席に座ってください。」
そう先生に言われて各々が席に座り始める。
「この後は、自己紹介と教科書などの確認事項の話を済ませた後に時間が余ったら、少し早いですが学級委員など決められたらいいなと思っています。5分後にチャイムが鳴るのでそれまで休憩などをしててください。」
チャイムが鳴り休憩が終わった後、自己紹介が始まった。
蒼唯の場合
「鐘白蒼唯です!えっと、ぬいぐるみが好きです。一年間よろしくお願いします!」
緊張しているものの蒼唯は元気よく言い、周囲は蒼唯の可愛さにざわついていた。
この世に、か・・かわいい男っているんだな・・・。とか新しい世界が!とか俺がぬいぐるみになればははは・・とか変なことを言っているやつもちらほら。
そして愛莉の場合
「名前は涼白愛莉で、好きなものは可愛いもの!みんなこれから一年間よろしくね!」
自己紹介は失敗すると大変なことに!と考えて緊張しすぎて死ぬかと思った~。
と愛莉は思っていた。
明るい感じで皆に好印象を与えた自己紹介。
サイドテールかわよ!とか雰囲気いいなーとかギャルがつぶやいていた。
やわらかい空気感で生徒全員自己紹介を終えることができたため、一同ホッとしていた。
あとは先生の自己紹介だけとなった。
「改めまして、このクラスの担任になった
この後、いろいろな質問が投げかけられて、先生があたふたしているのを見てみんな笑顔になっていた。
その後切り替え、確認事項などを済ませて今日の高校でのやることが終わった。
後は帰るだけとなった。
「あおちお疲れさん。」
「くまさん自己紹介緊張しましたね!でもみんな優しそうな人ばかりで安心しました」
「そうだな!」
と蒼唯たちは会話をしている一方。
愛莉は望乃と話していた。
「先生優しそうな人だったね。怖い人じゃなくて良かったー」
「だね。愛莉はこのあとどうする?どっか遊びに行く?」
「うーん、帰ってから決めようかな。遊ぶってなったら、連絡する!」
「おけ。さてと、そろそろ蒼唯ちゃんのところに行きますかね!」
さくはそう言って何故か私の手を取り蒼の方に向かっていく。
「へ?なんで私まで・・ちょっ!」
蒼唯の方を見ると熊谷君と話していた。
「おっす~。レオ!蒼唯ちゃん!」
「望乃さんお久です!」
「望乃ち、おっすー。ってあれ涼白っちなんで隠れてんの?」
「さくに引っ張ってこられてつい隠れちゃっただけあはは・・」
「今更ですけど、愛莉ちゃん制服似合ってますね!もちろん望乃さんも!」
「そう、ありがと」
「蒼唯ちゃんありがと!そっちも似合ってるよ!」
と制服姿を誉めあっていると
「あの、みんなで一緒に帰りませんか?」
蒼唯にそう言われて私はどうするか迷った。
そんな私にさくが耳元で、
「あおいちゃんが嫌いなのはわかるけど今日くらい四人で帰るのも私は悪くないと思うんだけど・・・ね?」
一緒に帰ろうねとさくから圧を感じた私は断れずその提案を呑むことにした。
そして今歩きながら話している。
「愛莉ちゃんと一緒に帰るなんてすごい久しぶりですね!それに僕、なんかこの四人で集まったときの空気感好きです!」
蒼唯とは帰る道は一緒だから小中学生の時もほんの少し一緒に帰ったことがある。
勿論、私は蒼唯が嫌いなので誘うわけでも誘いを受けたのでもなく、偶々帰るタイミングが合った時くらいだ。その時も最低限の会話で済ませたけど、今日は蒼唯だけじゃないからそうもいかない。
だからと言って態度を変えるわけではないけど。
「そういえば、教室にギャルいたね」
「望乃ちギャル好きなんだっけ?」
「うん!なんかこう、くるものがあるんだよね!!」
「仲良くなれるといいですね!」
「うん!」
「あー、仲良くなるといえばさ、あおちと涼白っちはいつ仲良くというか仲直りするんだ?」
!?
私は唐突に言われた言葉に動揺した。
「別に、もともと仲良くないし・・・」
と咄嗟に言ってしまった。
空気が暗くならないうちに話題を変えようとしていると、
「あっ、ここからは帰る道違うから皆またなー」
「私もこっちだから、またねー」
「くまさん、望乃さんまた明日!」
「またね!」
と別れることになった。
今のタイミングで?と焦っていた私にさくが、頑張って!と言って帰っていった。
ここから家まで当たり前だけど、蒼唯と帰る道は同じ。
ああどうしよう・・・。
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