第5話 入学式➀

ふはぁ~。

私はあくびをしながら入学式に向かう準備をする。

ちゃちゃっと準備を済ませて、朝ごはんを食べる。


「うぅー。緊張する・・・。」


そういいながら家を出る時間になる。


「お母さん一緒に行かなくていいの?」


「うん。お父さんとゆっくり行くから~。代わりに望乃ちゃんと一緒に行ってあげたら~?」


「わかった。じゃあ、お母さんお父さんまた後でね!」


そう言って私は家を出ての家のほうに向かった。

さくとは桜 望乃のののこと。小学六年の時にこっちに転校してきて、沢山遊ぶようになった私の親友だ。なんで愛称がさくなのかは自分でもよくわからずに呼び始めた。

インターフォンを押してさくが出てくるのを待つ。


「おはよー愛莉!入学式緊張するぅー!!」


「おは!テンション高いね。」


さくはポニーテールで右目の下にほくろがあってチャームポイントはご飯を食べてる時の可愛い顔!


「一緒に制服採寸しに行ったときに一回見てるけどやっぱ可愛いね」


さくの言うように制服が可愛い。


「中学の時はブレザーだったけど・・・えーっと、愛莉!この制服の種類なんていうんだっけ?」


「ボレロだったかなー?あんまり見たことない種類の制服だったからあの時は気分上がったね!」


「そうそう、そんな感じの名前!だねー。そろそろ学校に向かって歩きながら話そっか!」


「うい!」


こうして二人で話しながら歩いて行った。

ちなみに男子の制服は学ラン・・・ではなくブレザーだった。


「さくー、蒼唯がまた同じ高校に行くことになったんだけどさ、私どうしたらいいのかわからないんだよねー」


「また急に蒼唯ちゃんの話してどうしたの?嫌いなら関わらなければいいし、気になっちゃうならまた仲良くすればいいんじゃないかな?」


「そ・・そうだよね。・・・とりあえず会っちゃった時に考える!」


「あーやけになってる~ふふ。さてどうしたもんかねー」


私は愛莉と仲良くなってすぐ蒼唯ちゃんのことを知った。

可愛かったので私は蒼唯ちゃんとも仲良くなったりもした。


愛莉から事情を知ったときは何言ってんの?って感じだった。蒼唯ちゃん関係の話を毎日何かしら言ってるし、嫌い嫌いという割に好き好きと言っているような発言。蒼唯ちゃんと早く付き合えば?と何回も思ったりした。


何で何年も経って未だに元の関係位に戻れないのかは見ていて分かったけど、今年こそ何とかしてほしいものだ。


「愛莉のその拗らせてるもの、早く治してねー!」


「へ?」


呆けた愛莉の手を引っ張り朝陽川高校の中に入る。


「さく、何で急に走ったの!」


「だってー・・・秘密!あはは」


なんてやり取りをした後、体育館前で配られているプリントを先輩なのか先生なのか判断ができない人から貰い、私たちは親が来るのを待った。


「愛莉ー私たち同じクラスだよーやったねぇ!あっレオと蒼唯ちゃんも一緒じゃん」


「やったー!ってえぇ!?あっ・蒼唯と高校が同じだけじゃなくてクラスまで・・。さくあの可愛さに負けてしまう」


「何言ってんの?兎も角一緒のクラスになったんだから、あとで蒼唯ちゃんに会ったら挨拶しなよー!仲良くなれるように頑張ろうねー!」


「なんななんで蒼唯と仲良くする流れになってるのー!」


とわちゃわちゃしていると後ろから、


「あーいーりちゃんつかまえた!」


お母さんがふわふわしながらぎゅっとしてきた。


「ちょっ、お母さん!あれ?お父さんは?」


「正門で写真撮るのを待ってるって~。あっ桜ちゃんおはよーあと入学おめでとぉ~!それじゃあ愛莉行くわよ~」


手を引かれ連れてかれる。さくが笑顔で手を振りながら見送られた。



「お父さんなんか気合入ってるね・・あはは。」


「写真に気合が入らない親いないとお父さんは思うぞ。」


「そうよ~。じゃあ早く撮りましょうか。愛莉~お母さんの隣に早くきてぇ~ふふ」


「えっ?う、うん。お父さん可愛くとってね!」


「お父さんに任せなー!よしっ!愛莉撮るぞー。もうちょっとお母さんに寄ってー」


お母さんがすごく嬉しそうに隣で微笑んでいる。

そんなお母さん見たく自然な笑みで・・・


「はいチーズ!」


とお父さんに撮ってもらった。

なんかお父さんが泣いていたような気がするけど、多分気のせいだと思う。


入学式の時間が迫っていたため別れて体育館へ向かった。

あっ、しっかりお父さんとも撮っているので安心してください。




早歩きで体育館の近くに行くと可愛い物体が歩いていた。


さくにちゃんと蒼唯と挨拶するんだぞと言われたので、意を決して私は声を掛けた。

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