第4話 入学式前日②
ぬいぐるみに囲まれた僕に朝陽が射す。
眩しさによって目が覚めた。
時刻は6時25分
可愛いぬいぐるみ達を落とさないようにベッドから体を起こして、
今日はホワイトタイガーさんのぬいぐるみを抱いて元気を補充して僕の一日が始まります。
元気も貰ったし顔とか洗いに行きますか。
洗面台の前に立って鏡を見ると改めて自分の成長具合がどうなっているのかわかりますね。
中学二年生の時に久しぶりに身長が2cm伸びたときは感動しました。
んー?んー。うん。
もう身長は伸びないのかもしれませんね泣
ちなみに僕の身長は145.6cmです。
そういえば前に身体測定があった学校の日の放課後で散歩していた時に、愛莉ちゃんが後ろから声をかけてきたことがありました。
あの時は嬉しかったです!久しぶりに僕のほうに話しかけてくれて!!
「ねぇ・・蒼唯。身長伸びたの?」
「それがですね!伸びましたよ!」
「そう・・。よ・・よかったね。それで・・その何cmになったの?」
「145.6cmです!前より0.7cmも伸びました!!愛莉ちゃんはどうだったんですか?」
「え?わ・・私は160.1cm。前より3cm伸びた・・。」
「凄いです!!僕もいつか・・・伸び・・ると。」
「可愛いんだから贅沢なこと言わないで笑顔でいなさいよ」
嬉しすぎて、あの日一番の笑顔で答えちゃって恥ずかしかったですえへ。
最後愛莉ちゃんちょっと早口で言ってる言葉激なのにドライな感じでに言ってきたのでびっくりしました。
あとまたなんか胸がキュンってあの時したような・・。
これまでも沢山キュンとしたことがあるのでそろそろ病院か誰かに相談でもしたほうがいいですね!
一方あの時の愛莉の心中は
(しまった!可愛くてつい声をかけちゃった。そそそそうだ。えーっと今日は身体測定があったから、身長!そう身長のこと聞けば乗り切れる!)
(なっ!今年一番の笑顔でそんな嬉しそうにいってこないでぇぇぇ!)
(は?身長なんかより可愛いほうが蒼唯は輝けるし・・・というかそんなに落ち込まないでよ!そんな小動物みたいにプルプルしないで。まだ笑顔のほうが耐えられる)
愛莉は無事その後笑顔になった蒼唯に天に召されそうになり、逃げるように速足で帰ったとか。
そんなこともあったなーと思い出に耽りつつ、洗面台でやること終えリビングのほうへ向かいました。
とりあえず、いつも見ている猫が出てくるのにニュースも流れてくれるいい番組をつけてこの後どうするかを考えることにした。
「今日の天気は曇りのち晴れ・・・気温も涼しいと・・・ふむ。明日は入学式だけど必要なものは揃ってるし、今日は明日の持ち物の確認とお散歩でも行ってまったり過ごそうかな~。ふみゅっ!!」
後ろからほっぺをいきなりむにゅっとされびっくりして振り返ると、
「蒼唯たんおはー!にひ」
そこにいたのは凄く幸せそうな顔をしてにやにやが止まっていないお母さんだった。
「あ、秋さん!びっくりした。あっ、おはようです!」
「元気に挨拶ができてよろしい!今日もがんばるよう!」
お母さんは毎日元気いっぱいだ。クリエイターで、毎日色々なことをしているそうです。
お父さんに昔の秋さんのことを聞いたときは、今とは違いすぎて驚いた。そんな秋さんを変えてしまうものがあるなんて・・・。
そう考えてる蒼唯の心を読んで、心の中で蒼唯ちゃんの可愛さに溶かされましたと鐘白秋穂は答えた。
「あーそうだ!愛莉ちゃんとまた仲良くなれそう?」
「ちょっとずつ会話は増えてきました!」
そう嬉しそうに話す蒼唯を見て私はとりあえずまだ見守ろうと思った。
「高校が一緒でも離れてても愛莉ちゃんとは話せますから、秋さんは気にせず楽しくいてください!ところで朝ごはん今日は何がいいですか!!」
「じゃあだし巻き卵とお味噌汁と白いご飯をお願いしちゃおうかなー。手伝わなくていいの?」
「はーい!では頑張って作るので待っててくださいね!」
そして作ったご飯を一緒に食べて秋さんは仕事に、
「ご飯美味しかったよ!ありがと、蒼唯たんのお陰で仕事頑張れる!ではいってくる!」
ニヒッと笑顔で仕事に向かった秋さんを見送り、
僕は明日の持ち物の確認を終えた後、散歩をしながら入学式に対して心構えをしてリラックスしたり・・
「また仲良くなれるかな・・・?」
なーんて言ってみたり・・・
ついに入学式当日を迎えるのでした。
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