第2話 鐘白蒼唯の場合
―僕、鐘白蒼唯は幼馴染の涼白愛莉が好きだ―
初めて愛莉ちゃんに会ったとき、かわいいくまさんだと思いました。
何故かお顔が蕩けていたようなそんな顔をこっちに向けていたのを覚えている。
なんであんな顔をしているのかわからなくてあの時はちょっと怖かったです!
昔はすごく仲良かったのに今では、
「はよー!愛莉ちゃん今日の小テスト自信ある?」
「おはよ。少しあるけど何。じゃあね。」
こんな風に冷たくてツンツンしてます!
昔はちっちゃいくまさんみたいな可愛さだったけど何か今はクールでかわいいんです!
あとなんかキュンってして顔が赤くなっちゃいます。何かの病気なのかな?
そういえば保育園の時からポニーテールだったけど、最近サイドテールにしてて新鮮だ。
かくいう僕もサイドに三つ編みがされていてちょっとかわいくなってる。
というのも親友のくまさんのお姉さんのうさぎさんがかわいいからやらせてというのでどうぞ!と言ってしてもらいました!
愛莉ちゃんが昔からよく可愛いものに惹かれてたからこれなら今日こそと思ったんですけどダメでした。でも諦めません!また仲良くなりたいので!
そういえばなんでこんなに愛莉ちゃんのこと好きなんだろう?
そういえば年長さんの時にすごく好きになった出来事があったような~
「秋さんただいまです!」
秋さんとは僕のお母さんのことです。僕が喋れるようになってお母さんが秋さんって呼んでと何故か言い出してそう呼ぶことになりました。その時お父さんも同じくさん付けで呼んでほしいとお願いしてきましたね。
「蒼唯おかえり!・・・・!!あおいちゃんその髪型どうしたの?」
「くまさんのお姉さんにやってもらいました!」
「かかかかかかかかかかかかかわわわわわわわわわわわ・・・・・・・!!」
「お母さん落ち着いてください。あの話が・・」
「あきさん!そう呼ぶの忘れているわ!」
「秋さん!!昔僕と愛莉ちゃんに何かあったか覚えてますか?」
「覚えてるわよ~。あれはね・・・」
十分くらいで教えてもらい思い出すことができました。
何でそんな大事なこと忘れてしまったのでしょう。あの時にすごく愛莉ちゃんが好きになりました。
愛莉ちゃんも僕も僕の家族も皆かわいいものが好きで仲が良かったのは秋さんに教えてもらう前も覚えていました。
秋さんは僕のことがとてもかわいいからって女の子みたいなことをしてと言ってくるときもありました。愛莉ちゃんにも頼まれるのでやります!
そんな風に仲良く過ごしていたのにある日を境に愛莉ちゃんは、僕と遊んでくれなくなりました。
でも僕は誘うのは諦めませんでした。まだ幼かったからという言い訳にもなってしまうのですが、愛莉ちゃんに迷惑をかけてしまっていたとは思いませんでした。
だから愛莉ちゃんにあんなことをさせてしまったのでしょう。
でも僕はそのことを思い出したとき、なぜか顔が赤くなってしまいました。
その様子を、いつの間にか隣に座って見ていた秋さんにニコニコされて恥ずかしかったです。
あの時僕は愛莉ちゃんのいつもと違うものを見たから前より好きになったんでしょう。
「わたしはもうあおいちゃんとあそばないから、はなしかけてこないで!」
僕これからも一緒に遊びたいのに。
「ぼくのこときらいになっちゃったの?わるいところとかいやなとことかなおすからまたいっしょにあそぼ?」
お願いです神様!愛莉ちゃんと前みたいに仲良く遊びたいです!
「だからもうあおいちゃんとあそびたくないの!あっちいって!」
パシンッ!
気が付いたら愛莉ちゃんにほっぺをビンタされていました。
ほっぺがジーンとして痛くて涙が出そうなとき、
「ご、ごめ...んね。」
愛莉ちゃんが頑張って謝ってくれてるのが聞こえたから顔を上げました。
その時愛莉ちゃんのやっちゃったっていう顔が見えて、咄嗟に顔を伏せちゃいました。
伏せたときには痛みで涙が出ていました。
でも僕の顔は、真っ赤に染まってなんか・・・
「なんかきゅんってする」
その後は、迎えに来た秋さんに大丈夫なことを伝えて、愛莉ちゃんに元気になってもらうために秋さんに偶々作っていた僕のくまさんのぬいぐるみを、僕のことを内緒でプレゼントしてほしいと頼んで二階のベランダから様子を見てました。
あれから愛莉ちゃんの僕に対する態度が変わったり、距離がもっと広がってたりしたもののおはようの挨拶はいつも返してくれるので僕は元気です!
それと僕だけに態度が変わったとき何故かまた胸がキュンとしました。なにかの病気ですかね?
高校生になったらまた昔みたいに仲良くできる日を願って今日も頑張ります!
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