(二)-6

 新屋が見ているデスクの上のモニターの画面が国会の中継映像から局のスタジオに切り替わった。

 新屋はすぐにカメラの方を向きつつ「国会内は大変なことになっていますね」と言う。

「そうですね」

 寒川がすぐに返し解説を始める。

「法案は参議院では否決されましたけど、既に衆議院で一度可決していますので、もう一度可決するだけで通るんですね。しかも法案は野党ではなく内閣、つまり議会内の多数派である与党側から出されたわけですから、再可決だってすぐのはずです。ただ、この法案に反対の野党が徹底的に抵抗をしようとして、こうして審議時間を引き延ばして時間切れに持ち込む戦術に出ているんですね。それだけ、野党はこの法案を本気で潰したがっているワケですね」


(続く)

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