永遠に続くかと思われた夜。


 永遠に続いてほしかった夜。


 永遠に続くはずがなかった。


 朝が、来た。


 決めたはずの覚悟は太陽の光を前にあまりに脆かった。


 瞼が重い。頭が重い。心が重い。


 いったいこれは徹夜の反動か、それとも……。


 彼女がいる間は全く感じなかった苦痛が、感覚を支配する。


 今はもう彼女がいないということを何度も再確認する。


 何度確認しても結果は同じで、そのたびに毎度落ち込んで、無駄に精神が削られているような感覚になる。


 でも、ずっと独りで詩的な言葉ばかり謳っていても仕方ない。


「そろそろ、行こうか」


 動けない自分に鞭打つ言葉。


 そうでもしないと、時に置いて行かれる。


 いや、でも、最後に一瞬だけ。


「**、*******」


 君に、届きませんように。




 外は異様に眩しくて、夜に慣れた目が悲鳴をあげる。


「眩しいね」


 彼女がいないことを忘れて、自然に彼女に伝えたはずの言葉が、彼女はいないことを知らしめる。


 勝手に声をかけて勝手に落ち込んで、メンヘラみたいと思う気持ちと、仕方ないと思う気持ちが同居する。


 でも、もう立ち止まらないと決めてしまった以上、仕方ないという気持ちを精一杯遠くへ放り投げる。


 すぐに戻ってきてしまいそうだけど、しばらくの間だけは、勘弁してほしい。


「なんで、月曜日の朝に引っ越したんだ」


 学校が近い。

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