第14話 怒り
「いい加減にしてください!! 」
普段出さない大きな声を上げ、理子は智介だけを睨む。
「お、おい。どうしたんだよぉ? 」
流石の智介も、理子の様子の変化を感じ取ったようだ。ご機嫌を取るために理子の怒りの鎮めようとする。
「うるさいです!! 余計なことしないでください!! 」
理子の怒りは収まらない。より怒りが増幅する。
「さっきから聞いてれば先輩の悪口ばかり!! 嘘の事実も勝手に作り出す始末!! 実際に先輩が何か悪い事したんですか? 」
智介に詰め寄る勢いで、理子は追い込むように問い詰める。
「…そ…それは。え~っと」
正確な回答を用意できない智介。理子の威圧にも圧倒され、目も逸らす。
「どうしたんですか? 答えられないですか? それはそうですよね。多月さんが都合よく先輩が悪くなるように捏造したんですから。本当にダサい」
「…」
一方的に理子からの責めを受ける智介。既に俯いた状態をキープする。
「もういいです!! こんな人と一緒の場所に居たら、気分が悪くなるだけです!! 先輩、行きましょう!!」
影人の手を強引に取り、理子はこの場を立ち去る。どんどん理子達と智介の距離が拡がる。
「お、おい。待てよ」
呼び止めようと試みる智介。
しかし、智介の声は理子に一切届かなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます