第4話
美恵は美容院に来ていた。
長かった髪を短くした。
失恋もしたし、新たな家にも引っ越ししたことだからイメチェンしたかったのだ。
いちばん最初に見せたいのは健二だった。家に帰って健二に連絡しようと思った。
今日は土曜日だ。健二は忙しく働いているだろうから電話はやめてメールにした。
「暇になったら連絡ちょうだい」
健二にメールすると部屋の片づけに取りかかった。
まだダンボールから出していないものもある。
夕方くらいに健二から電話があった。
「どうした?」
「お礼もかねて食事したいなーと思って」
「じゃ、焼き肉どう?」
「いいね!」
渋谷で待ち合わせになった。
しばらくすると健二が現れた。
健二は
「髪の毛切ったんだ?スゲーいいじゃん」
美恵は嬉しかった。
あたしたちは焼き肉屋へ向かった。
焼き肉屋で肉を焼いてると
「新居はどう?」
健二が言った。
「なかなかいいよ」
すると健二の携帯が鳴った。
「ちょっとゴメン」と言って電話に出る。
健二は明るい声で話して、電話を切った。
「誰?」
「溝口。高校が同じだった」
「男?」
「女」
「もてるんだね!」
「そんなことないよ」
「あるよ。高校の男女関係なんて普通続かないもん」
「続くよ」
「ドラマの中だけだよ、そんなの」
美恵はお酒をおかわりした。
ある夜、仕事帰りの美恵と久美子はカラオケボックスでストレス発散していた。
2人でPUFFYやモーニング娘などの懐メロを歌った。
曲が終わって静かな時に、久美子がマイクを通して
「告白しちゃいなよ」
美恵もマイクを持って
「しませ~ん」
数日後、美恵からの電話だった。
美恵が大事な話したいから今から家行ってもいい?
健二は
「あー、今はまずいな、明日は?」
取り繕うように言った。
美恵は
「誰かいるの?」
健二は気まずい感じで
「溝口…」
美恵はせっかく健二の気持ちを確認したかったのに。
「じゃあいいや!」
と明るく切った。
溝口は「大丈夫?」と言った。
健二は大丈夫、大丈夫、飲もう!と溝口に気を遣わせないようにした。
別の日。健二は美恵の部屋に来ていた。ずいぶんと上手に片づけられていて「なるほどな」といった表情の健二だ。「真剣な話ってなに?」と言われたとたん、急に健二に抱きしめられた。
「これどういう意味?」
抱きしめられながら美恵は言った。
「好きって意味」
「嘘だね。ただやりたいだけだよ」
「なんでそういうこと言うかな?」
健二は手を離した。
「じゃあ次会う時までにラブレター100枚書いてきて」
「本当に可愛くないねー」
翌日、美恵は仕事していた。
「これ、コピー取っといて」
「はい」
昼休み外でお弁当を食べる美恵
携帯見ると履歴なし。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます