第2話
健二は働いていた。
引っ越し予定のお客さんの前で必死に物件を勧めてる。
お客さんは何件かの物件を見てその中からいくつか興味を持ってくれて、内見したいと言った。
健二はは車を出した。
「ここだと駅からも©近いですし、スーパーなども充実しています」
お客さんは2件目の物件も見たいと言った。
健二は「わかりました」と言ってまた車を走らした。
でも結局この日は契約は取れなかった。
その日の夜、美恵は友達の部屋で話していた。
久美子は美恵と同い年で、百貨店に勤めている。
美恵の一番の理解者だ。
久美子が言った
「男にフラれてまた男と出逢ったか」
「そういう訳じゃないけど」
「じゃあどういう意味よ」
「なんか初めて会った気がしないんだよね」
「もしかして前世で会ったとか?」
「やめよう。飲もう」
美恵は健二が気になるようだった。
健二は仕事帰りにクラブに来ていた。
スーツでも楽しめるクラブだ。
健二の友達がこのクラブでDJしてるのもあって、よく遊びに来るようになった。
ヒロシが近寄ってきた。
「おう、健ちゃんじゃん」
「ちーす!」
「なんだか仕事うまく行かなくてね」
「まあ、楽しんでってよ」
それを言うとヒロシはDJブースに入っていった。
健二はタバコに火を点けて、深く吸い込んだ。
健二はクラブ楽しんで後にした。
渋谷駅に向かう途中携帯が鳴った。
ディスプレイを見ると「美恵」と表示されている。
出てみる。
「モッシー元気?」
「まあまあだよ」
「あのさ、あたし引っ越しを考えてるの。それで健ちゃんのお店どうかなって」
「健ちゃんって…わかった。場所教えるよ」
健二はお店の場所を伝えて、電話を切った。
「健ちゃんか…」
ひとり呟いていた。
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