第3話 自分とは何か?
「大丈夫ですか?」たかだかそんなことだけに、嬉しさを感じ、胸にこみあげるものがあった。「いえなに、男の癇癪みたいなもので
す、大したことはありません」男は続けて問うてきた。「おんながらみのことですか?」
と。自身がありがたいと思える言葉なかのほんの一握りの簡単な返事にとまどい、しばし
間をおいて返事をした「いえそんなことじゃありません」男は続けざまに問うた「しかしこのご様子じゃ、何か悩んでいるんじゃないですか?よかったら、お聞かせください。」
いっそのこと女がらみの事のほうが、よっぽどましに思えた。自身の生活の張り合いのなさに疲れてきている自分に焦燥感を覚え、いら立ち、顔色が曇ってきているのを、人にさとられたのだから。「僕はだめだ」一気にたがが外れて、せきとめていたなにかが、一気に流れ出した。それは、涙ではなく、誇張された、本来の自分らしくない自分にすがって生きている、さながら、なにかに取りつかれたように生きている自分だった。「もうすぐ、自分よりも若い奴らに昇進の話が来ているのに僕ときたら」思わず空のビール缶を握りつぶした。「そうですか・・自分に自信が持てなくなってきたんですか?あるいは、マンネリか。恐ろしく気味が悪いことに思うのでしょうが私も同じようなことで悩んでいるんですよ。」後悔と懺悔の狭間で揺れる、おかしな二人の会話のなかに、埋もれた実際の悩みとは何なのか?時間とともに薄れゆくときめきの瞬間にあふれだす、虹のような光景にたたずむ自分とは一体なにものでおれるか?それは、男が同じことのように悩んでいるはずもないかもしれない、人の内省的事実に対する安堵感かもしれないと、ふとおもい悩むひと時であった。コーヒとか香り伴ういかんとも言えない感じのひと時。「やり直せない人生が締め付けるんです、僕のものじゃないように」どっかの子供がけらけらと笑う。それにとって代わるかの期待が人の反射光のような嘘の微笑みとか。どちらかにしぼればいいはずの人生の面持ちにしたはずの虐げたはずかしい武者ぶるい。ろくすっぽあてにならない大人のひしわらいに嘆き悲しむ自分の悩み
。「そんなにおかしなことなんでしょうか?
」楽に生きている。死ねばそこで終わり。
事実の勘違いの沙汰に及ぶ、自分の本望とは
何か?きっと、互いに主張しあっている、切っ先のないやり口のあきのなさに、不安を募らせているのか?ともいえば、言えないことのない言葉のなかに、久しく言えた「あなたの冗談に付き合うつもりはない」と。いいえ、
あなたの答えは簡単。いつものとうりの一語
一句のあくなき執念のなかに初めて生まれる
勤怠感のはしくれ、風上におけない事実の上積みにたいする、後悔の念。僕はあなたがすきじゃないみたいだ。事実、向こうの方には
、好きも嫌いも簡単に見分けれる、人の山に
関の山、期待感情の恥のまえに、疎ましいほどの嫉妬の苦しみ。苦しさの中身の中身におぞましいほどの、人生観が見え隠れして、人の心をのぞかせる瞬間のほとばしりが閃光の
ように走って、記憶をつんのめらせることの
醜愛の事実に見せられた、とどめの言葉。
「見つかったんでしょうか?私がだれであるか?」否応なしにその事実に対して不安を覚えて、喜来の事実に応変もなく返事している自分。時代錯誤の様式に潜む、恥の継承感覚に、自分がうぬぼれていることの、恥の無さ。
それに、上ずりを刷り込むがごとし目利きの
とおった銘柄の茶碗のような、美徳。すべて
ゆがみきった、実際の恥の無さに、競争している、日本の感覚に、嘘ついたのか?それが
いままで気づきにくかった、自分の実像なのか。恐れおおいまま、自分の行き届いた配慮に深くまいりいる、期待の心象が、必要以上の高ぶりをもって、人としてなしている、気高い奉納の嘆き「私が私であるとき、私以外に何もかも見えてる事の私のための私かな」と思いやるつもりの自覚のない、反対のもうしべからず、自分の悩み。積もり積もった鬱積の心に、なんかたるや人の心に問いたい、時間が愛したいほどの、食い違いがはやし立てる人格の感じ方以外のうまのあいようにほどけし、実はの言葉の真の意味。「実はあいまいに死んでる目に、疑いの気持ちが咲くのです」心に積んだ荷物でさえ、おろすことなく、人の心に積み替える荷のほどきようたるや、悲惨の一語に尽きる。邪見にされている
すべての人のような、捨て犬ような臆病な目つきに、死ねばもろともとう感じの気迫の
なさは、すべてのおぼろげな夢の話の怖さかな。憧れの境地はほどにもなく、いささかねんごろのおなごに笑う、自分の夢見ごこちに
共愛のともしびの他、何に折れた気持ちかな。
「それは私の目にみえるのでしょうか?」
疾風のごとき判断の余裕がつかない、いそしみの感じ方が暗いほうに感じてしまうのか?
「だからって、あなたにまで、心底付き合う人はいないんじゃないですか?」どこまでも
、人は心配に事欠く無く、必要に迫られてまで、今以上の幸福感に追い求める事の事実に
なんかしらの誤差も見て、自分らしさの意味を問いただすものなのか?もし、自分が追及できるすべての幸福感に期待が生じなくとも、
今なおくくりつけた十字架の真意を犠牲に見るまで、自分自身の幻影と向き合っていかなければならないのか?おかしな話である。ポテンシャルの続くことの永遠なんてあってもいいかも分からない人生の途中で、ここまで追い詰められて、生きている自分のいまいましさに嘆き、投じた意味の言葉のはけ口を、
人に見せつけようとしているのか?「ワタシは正直、死んでしまいたい」ポツリと吐いた心の言葉にむせかえる、自分の恥の気持ち悪さに、むかむかしてきた。
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