第四話 始まりの鐘
ニンニクマシマシヤサイモリモリスープドバドバコナオトシ。要するにニンニクと野菜とスープを大量にしたかなり硬いとんこつラーメンを、僕らはヘリの上で食べていた。
「で、松陵三佐、作戦の説明を。」
先に食べ終わって眠っている小和の頭を撫でながら、松陵三佐に依頼する。
『はい、では、ご説明致します。』
松陵三佐の声が、ヘッドセットから聞こえてくる。ヘリの騒音の中でも、十分に通じている。骨伝導ではなく、鼓膜直動型のイヤホンだ。ヘッドセットも、この半世紀で変わったものだ。
『我々第一三七特殊急襲大隊は、対馬奪還を目的とした武力行使作戦を実施致します。このティルトローター機であるVM-68B多目的ヘリにより、空中散布式コヨリスライム弾を投下、着地地点を確保し、部隊が展開、目標は、対馬空港の確保です。』
対馬空港、日本で14番目の宇宙港となった空港である。宇宙港に名前を変えればいいと思うかもしれないが、宇宙港にも空港法が適応される現代においては、空港と名付けた方が一般的だ。
対馬空港は、何より着陸失敗時の被害が少ないと見込めることから宇宙港に選定され、対馬もそれに伴って生まれ変わった。2046年、生まれ変わった対馬空港が開設してからまだ十年も経ってない。地元民の希望を担った対馬空港は、今は回転草の群生地になっている。
そこをコヨリスライムで粉砕し、VM-68を降下させる。僕らは、その効果を検証し、作戦指揮に協力する、後方要員だ。陸地に足を付けるのは、作戦がすべてうまく行った時のみ。だがそれで構わないさ。奴らを殺して、殺して殺して殺して、殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺す。その為に全力を捧げると誓った。
『三佐と総科研の皆さん。トビウオイワシが来ます!』
…今からが、その時だ。
犬と鰯と回転草 鹿 @HerrHirsch
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