第22話 嫌な予感

そういえば第三勢力か……。

彼らは一体…….何を目的として世界に反発しているのだろうか。


金なのか……..平和ボケした世界が嫌だったのか……。

それはそいつらのボスに聞けばわかるか。


もし私情で世界を滅ぼそうとか考えてるなら俺らが容赦はしない。

王様めっちゃいい人だったし……..あの調子なら魔王もきっといい人なのは伺える。


どこの世界にもいるもんだしな…….デロを起こす奴らと同じ思考か。


変化を好み、安定を嫌う者。


世界というのは不安定というのが世の常であると考える奴らはテロを起こす。それによって関係のないものが…….死ぬはずがなかったものを殺してまで。

彼らの訴えはなんら正当じゃない。

彼らにも正義というものはあるのだろう。そりゃ当然、自分が正義なのは当たり前。


「しかし、自分の正義で人を死なせるなってことよ」

俺は自分の考えを沙月と話し合っていた。

「そういえば、神楽坂さん?とはもうよかったの?」

「うん。彼女とはそこまでまだ話すことがないからね」

「ふーん」

「あと沙月さ」

「ん?」

「自分は生き返るからとかいう思考は絶対にやめてくれ」

「え」

確かにお前らゲームキャラはHPがゼロになって死んでも生き返る。それは知ってる。だけど……..お前らが痛みを感じるのもまた事実。

「お前らが死ぬたびに、死ぬ時の激痛を味合わせたくないんだよ」

「………..」

「あと俺のことは気にすんな。まぁ俺は死ぬことはないからよ」

「笹兎…….」


もう死人を見るのは一人でいいんだ。



——「…….ちゃん」



「……笹兎?」

「あっ、ごめん。ちょっと考え事をね」

「?」

「まぁそれで話を戻すんだけどさ……..」


そんな時、嫌な音が聞こえた。


ピコン

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