第16話 ピンチ?

(うーむ……流石にまずいかこれ)


直撃は避けながらも徐々にダメージを受けている笹兎。

「どうしたどうしたぁ!?」


一切攻撃しようとしない笹兎。

いや、攻撃ができないのだ。相手の攻撃を躱すので精一杯という状況。

受けることすらできない。いや、剣で受けたら負ける。

相手の攻撃力が高すぎてぶっ飛ばされるのがオチだ…..と笹兎は勘づいていた。


「作者様を舐めんな!」

右左左と相手の攻撃をなんとか避けつつ、バックステップで距離を取る……

「逃げんのか?」


……..と見せかけて前に出た。


「んなっ!?」

普通のデザールには通用しない技だった。

なぜならNPC……AIには駆け引きなんてものは通用しないからだ。

しかし今のやつはどういうわけか、自我を有し自分の力で動いている。

それを笹兎は逆手に取り、意表をついた。


「一撃ガラスの能力を使用……」


笹兎から横斬りが放たれる。

しかし、素早さの差のせいで意表を突いたにも関わらず、デザールは剣でそれを受けてきた。

しかし………


「ぐあっっっっっ‼︎」


デザールは吹っ飛んでいき、そのまま岩へ激突した。

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