第14話 作者対オリエネ

「待たせたな神獣デザール」

前まではこいつから言葉を投げかけても返事が来るなんてのは思いもしなかったただろう。しかし、俺はこの前でその考えが変わった。


……没にしていたはずの琴帽子笹兎のステータスデータ。


それが導入されているのなら。


きっと導入されているはずなのだ。奴の性格設定が…..。


「ああ。久しぶりじゃねぇか」

そんなことを神獣デザールが言った。


神獣デザール……雷を想像して作った擬人キャラであるため、一人のキャラと言ってもなんらおかしくない。


「お前ら…….」

「ったく…….ここ一年間『神杯祭り』をださねぇで全く….」

「仕方ねぇだろ。他にも色々と復刻やらなんやらが重なってて復刻しようにもできなかったんだよ…..それにお前とシュリーナが強すぎるのが問題」

「それは生みの親であるあんたのせいじゃないのか?」

「はいごもっともです」


と、こんなところで会話をしているのは時間稼ぎをするのが目的ではない。


単純に生みの親として、自分の作ったキャラと話させるのなら話したいと思っただけのこと。


「まぁそれはそれとして……俺らは戦いてぇんだ」

「まぁそんなことだろうと思ったよ…..」


こいつの性格はただの戦闘狂。

「開発者様のお手並み拝見といきたいところだしな」

「まぁ…..腕は落ちてねぇから任せろよ」


「「……….」」


俺らは静かに距離を詰める。

奴の視線が鋭くなんているのを感じる。それはきっと俺もなのだろう。


俺はもう現状、使えるスキルはない。

???になっている部分も気になるが、今は関係がないように思える。


そしてお互いの距離が三歩半になった時、戦いは幕を上げた。

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