第11話 違和感

とりあえず、神楽坂さんを非難させた。


「ここら辺でいいかな……神楽坂さん。ここで待っててくれるかな?」

「う、うん」


俺はすぐさま場に戻る。


沙月の体力が減っているのは万電帳で確認できていた。


「………」


おかしい。


「マスター?どうしました?」

「ああ。おかしいんだよ。沙月が結構なダメージを喰らってる」

「!」


沙月と俺のレベルは10と変わらない。

しかし成長度が大幅に違うし、そもそもレベル1時点でのステータスでも大幅に違っている。


あくまでも10レベというのは俺が確定攻撃を耐えられる状態になるレベルなのだ。


「マスター。マスターは10レベルがマスターが確定攻撃に耐えられるレベルだと言っていましたが……もしかして自身のレベルによるステータスアップの数値がわかっているんですか?」

「ああ。そうだよ」


そもそも最初に作ったキャラというのは、沙月ともう一人いる。

それが琴帽子笹兎。俺だ。

しかし、どこから身バレをするかわかったもんではないし、バレた結果自分をソシャゲに入れるやつだと思われるのも癪だ。

だから一応作ったものの、ソシャゲで追加したことはなかった。


……..そもそもこのデータは結構前に削除したのに……..これが神の力ってか?

まぁ……俺自身の身体能力などなどを沙月と比較しながら作ったから…..俺に当てはまりそうなステータスにしたっていう可能性もなくはないが…….

「マスター?」

「あ、悪い悪い。少し考え事をしていたんだ」

「急ぎましょう。何か悪い予感がします」

「ああ。俺も少しそんな気がするんだ」


……あくまで俺がギリギリ耐えられるのが10レベであって…….



すでに1レベの段階で沙月は楽々クリアできるはずなんだ。



——『イージー』を。





「き、キッツイ…….」


沙月は苦戦していた。

何せ、彼らの行動パターンが抜け出しにくいのだ。

通常攻撃はあまり当たっていないものの、確定攻撃は必ず当たってしまうため、沙月のHPはどんどん減っていった。


しかし流石主人公といったところだろうか。

体力を半分まで減らすことに成功していた。


「笹兎……」


沙月の現在のHP  257/400

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