第40話 るー初の個人面談⭐︎親子で挑戦スタート

今日は、るーちゃんが保育園へ入ってから2ヶ月半がたち、先生との個人面談の日だ。

ものすごく楽しみだった。

どんな過ごし方をしてどうやって遊んでいるんだろう…

私の知らないるーちゃんの何を教えてもらえるんだろう、とワクワクしながら向かった。

最初,先生は

『るーちゃんは、とても素直で、意欲もあります。また見通しもできます。遊びたいからまだお片付けしたくないって言っても、こちらが昼寝終わったら遊ぼうねと言うと納得して、片付けができます。できないことがあるとちゃんと手伝ってと言ってきます。これはすごいことだと思います。できなくてただ泣いているだけではなく、泣かずに手伝ってと自分で言えることはすごいです。』

と褒めてくれた。

なんだか自分のことのように嬉しかった。

言われてみれば、3才なのにしっかりしているかもしれない。

だが…雲行きが怪しくなってくるのはここから…

『すみません、なにか発達について遅れていると言われたことはありますか?』

ドキッとした。

記憶をたぐりよせ…

(ああ、言葉が遅いってことを入園前に言ったんだった!)

と思い出したので、その説明をした。

「二歳半健診のときに言葉が遅くて、心理士さんが毎月遊んで言葉の発達をみてくれました。一時保育を週5で行って言葉が増えたので3歳検診の時は大丈夫と言われました」

と言ったのだが…

『他に何か知的なことでは、引っかかりましたか?』

と返されて不安になった。

「いえ…言葉は遅かったんですが、言語理解能力が高いのでむしろ知的には高いと心理士さんがおっしゃったのですが…」

と言われたことをそのまま伝えてみたのだが、先生は

『私の私的な主観ではなく、全体のみんなをみて冷静に感じたことではあるのですがー』

と、少し眉間にシワを寄せて話してくれた。

『言葉で説明しても、理解できないことがあります。例えば今日の体操の時間では、ワニの真似をしてって言われて、他の子たちは地面を這うように動きましたが、るーちゃんは先生の動作を見てから真似をしました。言葉ではなく目で見て理解してるように思えます。そういうことが最近何回かありまして…』

と。。。

その時わたしは、くーちゃんと教育センターで聞いた話を思い出した。

『今日はくーちゃんが、何で理解するのが得意か調べます。耳から聞いてわかるのか、図を見て理解するのが得意なのか…』

と心理士さんがおっしゃったことを。

(そうか…やっぱり、るーもなのか。)

もう経験しなくてもいいと勝手に思っていたが、るーもこの先就学相談のために教育センターにいく可能性があることを覚悟しなければならないんだと感じた。

『あと指先を動かすのが少し苦手かもしれません。折り紙を折る時にきちんと角と角を合わせられなくて…他の子はできたので、るーちゃんが苦手なのかもしれません』

(えっ、ていうか、他の子できるの?まだ2才か3才なのに?器用なんだな)

と私は他の子が素晴らしいだけだと思ってしまった(笑)

『指先は第二の脳と言われてますよね?』

「えっあ…っ…はい…?」

(正直知らんかった笑)

『なのでこれからは園で、指先を使う遊びをたくさんしていきますね』

と、先生は優しく言ってくれた。

一人の園児を大事にして、寄り添ってくれるなんて、ありがたかった。

これからの私と、るーちゃんの課題が決まった!

お絵描き、折り紙、粘土あそびを毎日やって指先をガンガン鍛えていこうと思った。

今朝も保育園前に、粘土やりたいーと言って、るーちゃんはアイスクリームを作ってくれたところだった。

るーちゃんの好きなことを親子で楽しんで一緒に学んで行こうと思った。

『正直るーちゃんは、入ったばかりなのでただの経験不足で、そうなのかもしれません。みんなは小さい頃から保育園に入っていたので…。なので気にしないでください。』

と最後まで励ましてくださった。

この保育園に入れて本当によかった。

感謝の想いを伝えて、るーちゃんと帰った。

帰り道は、特に悲しい気持ちで押しつぶされることはなかった。

もしかしたら、くーちゃんのおかげかもしれない。

あの時は本当に苦しかった。

adhdの疑いがあると言われた時は、私のせいで遺伝させてしまったと罪悪感でいっぱいだった。

一度経験した傷にカサブタが出来ていたのだろうか。

今回はネガティブな思考がなく、これから指先を使って遊ぶ方法を考えて、どう課題をクリアしていくかに意識が向かっていた。

また今回も、くーちゃんに救われたんだなと思った。

あの子はつくづく、マイナス思考で悲観的な私をプラスの方向に引っ張っていくために、導師となってくれている。

くーちゃんとるーちゃんが生まれてきた意味をもう一度改めて考えさせてもらえる出来事となった。

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