第19話 卒園式後に結果

結局、結果を聞くのは卒園式なので幼稚園に結果を伝える必要がなくなった。

式を終えてから、担任に感謝の思いをつたえて幼稚園を出た。

るーちゃんも連れて一緒に車で教育センターへ向かった。

結果はIQがものすごく高いこと、落ち着きがないことなどが書かれていた。

また板書がやや遅めということがわかり、小学校へ入学したら担任に結果をコピーして渡すことになった。

問題ない程度のゆっくりさではあるが、知能が高いのに板書が遅いとなると先生をバカにして書く気がなく、サボっていると思われる可能性があるとのことだった。

誤解を生まないためにも結果を見せて担任に理解してもらうようにしようという配慮からだった。

そこでふと思い出した。私が小学校二年生の時、三者面談で担任は親に

『この子は成績もよく頭がいいのに、私の話を聞かないんです。私を馬鹿にしているから聞かないんです』

と言ったことがあった。母親はすぐに訂正した。

『違います。この子は努力家なんです。塾に通って勉強を頑張っているから、成績がいいのであって、普段はぼーっとしていて誰の話も聞かないから習い事もやめさせられたことがありー…』

と言った会話だった。

(くーちゃんもよく話を聞いてないけど、私のが遺伝したのか…。)

わざとじゃないのだが、急に自分の世界に入ったり、ぼーっとしたり、違うことを考えることが多く、ひとの話を聞いてないことが多々ある。

誤解されがちだが、今はこうやって未然に防げるのだからありがたい環境だと思った。

サポートルームは今のところ必要なさそうだが、これから学校へ通ってみて、様子を見てから判断していけばいいとアドバイスをもらった。

たしかにやってみないと分からないこともある。

これからもくーちゃんと向き合って見ていこう!と思った。

「今から段ボール遊び場いきたいひとー?」

教育センターをでて駐車場でそう聞くと、るーちゃんが勢いよく

『あーい!あーい!』と嬉しそうに手を挙げた。

2人にとってのお気に入りの施設なのだ。

せっかく有給をとってもらっているし、家族で思い出作りにでかけるのが大好きな私も大賛成をして車で向かった。

先月とは違い、るーちゃんも一緒に遊べることに、くーちゃんは満足していて楽しそうに2人でたくさん遊んだ。

すごく楽しい一日だった。

主人にもまた一つ、感謝の思いが増えていった。

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