第17話 WISKテスト

半年後、もう季節は寒い冬になっていた。

前回来た時とは真逆の分厚い格好をして教育センターについた。

今回は主人にも有給をとってもらい、るーちゃんは一時保育に預け、3人で行った。

『では、くーちゃんだけ入りましょう』

と心理士さんがくーちゃんの手を引いて部屋へと入っていった。

テストはどんな内容なのか全く教えてもらえなかった。漏洩防止のためだと思う。

もしかしたら1人でもちゃんと受け答えが出来るのかも、判断基準にあるのかもしれない。

だいたい1時間程度かかるとのことだった。

夫婦で2人きり…何を話そう。

話したいことがありすぎて、最初に口をついて出たのが

「食費今月いくらにする?」

だった(笑)

その予算なら遠いスーパーまで行かないと…などけっこう具体的に話した。

主人はスマホゲームする気満々だったらしく…

私の目をみることなくスマホをみながら話していた。

せっかくの夫婦時間などという概念がないのだろう。熱中している姿にクスッと笑みがこぼれた。

こういうマイペースなところがあるからこちらも自由にできるし、一緒にいてラクなのだ。

まあもちろんこれで、るーちゃんがここにいて私だけが追いかけ回していて父親はゲームに集中なんていう状況だったら雷を落としていたが(笑)

有給までとって一緒に来てくれたんだから、心強かったし、ありがたかった。




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