第13話 二児つれての習い事

習い事関係でつらかったのは、スイミングだった。

くーちゃんは1才10ヶ月からスイミングを始めた。

3歳になるまでは親と一緒に入る必要があるので、週に4回私も頑張った。

子供の肺が鍛えられるし、運動をすることが脳への発達にいいと聞いていたからだ。

3才になってからが試練だった。

自分は入らなくていいからラクだと思っていたが…

私が監視できない分、コーチが大変そうだった。

くーちゃんはじっと出来ない子だし、何かに集中するとコーチの声が聞こえなくなるし…

体操中も好きに動いたり、座って待つことが出来ないので何度も叱られていたし、コーチに対して申し訳ない気持ちがあった。

窓からレッスンを覗けるのだが、他の子の親御さんが

『うちの子もそうですよ。男の子なんてわんぱくで、4才の時じっとできなかったです。大丈夫ですよ。』

と励ましてくれた。

あたたかい言葉に救われた。

もう一つ大変なのは、ちょうどくーちゃんが3才2ヶ月になったとき下の子がうまれてくれた!

二児いる中での上の子の習い事への送り迎えがこんなに大変だとは…

生まれてすぐの頃はコロナ禍真っ只中ということもあり、スイミングを休会させていたし幼稚園自体が休みだった。まだワクチンも出ていないころだったから。

下の子は、るーちゃん。

この子も元気な男の子だ!

るーちゃんが半年くらいになってからようやくコロナのワクチンが出て、1才になるころには2回目の接種が終わる頃だったと思う。あまりよく覚えていないが…。

くーちゃんは道路に飛び出す子だったから通うのも工夫が必要だった。

るーちゃんをベビーカーにのせて歩く際に、ベビーカーの手すりに、ネットで買った電車の吊り革のようなものをつけて、くーちゃんにはそれを握ってもらって徒歩30分歩いて通った。

くーちゃんは体力おばけだったので、途中でへたりこむこともなく、頑張って歩いてくれた。

だが何かが目に入ると吊り革から手をぱっと離して急に走り出すので大声で叫んで止めたり、ベビーカーを押しながら走ってつかまえたり(笑)

歩く時はしりとりをしてなるべく注意を私にむけた。気を逸らして逸らして、30分歩かせた。

時には棒付きの飴を買って、甘いものに集中させながら歩かせたこともある。

自転車で2人を乗せることも考えたが、もし事故にあったり私が転倒したら子供が…と思うと歩くのが1番安全だと思った。

私自身が結婚したときに、病院へ行ってADHDかどうか調べたとき

『粗忽者(おっちょこちょい)なだけで発達障害ではない。ただ人より能力が全体的に低い』

と言われたことがあり、自分に自信がなかった。

常に気を張って2人を連れて出かけていたし、怪我させないように細心の注意を払っていた。

スイミングスクールにバスもないし、30分歩くか、徒歩と電車でいくかだった。

いくまでに疲れるというのに、更衣室で走り回るくーちゃんを注意して下の子まで走るのを追いかけて…本当につらかった。

くーちゃんには、いい加減4才なんだから、じっとしろよ!と怒鳴りちらしたこともある。

あえてギリギリに行って、更衣室にいる時間を短縮する工夫もした。


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