第12話 先生の素晴らしさ

知性が、くーちゃんにとって生きていくための助けになるのなら、学習塾に通おうと思った。

勉強はとっても好きな子だし、楽しく通えるのではないか?

そう思い、すぐにインターネットで調べると、場所は家から徒歩10分くらいの近くであることがわかった。14時から19時までに行けばいいということで、ちょうど幼稚園が終わってそのまま送れるし私にとってもくーちゃんにとっても都合が良かった。

主人にも相談したあと、学習塾に電話をしてさっそく体験に行った。

助かったのは、親がつきっきりである必要がないこと。

くーちゃんは1人で入り、先生とお勉強をする。

それを部屋の外の椅子に座って眺めるだけで良かった。静かにしていれば自由なのでスマホもさわれた。

14時に幼稚園へお迎えにいき、そのまま塾に向かったので、一番乗り。

貸切状態で先生を独占して勉強出来たのもすごく良かった。体験をしてすぐに入会することにした。

塾は、その地域の教室によって様々カラーが違うとは思うが、くーちゃんが通っているところは本当に先生に恵まれて、個性を尊重してくれる素敵なところだった。

宿題は多いが、減らして欲しいと言えば減らしてくれたし、くーちゃんが熱が出てかくしに行けない時は私だけが行って宿題をもらうこともできた。

本当に私の子供か?と思うくらい勉強熱心なくーちゃんは、風邪をひいても塾の宿題を毎日やった。

『時間は必ず作れます。忙しくてもどこかに15分くらい勉強できるスペースがあるはずです。この時間にやると決めて毎日習慣にしていけばいいんです』

と先生からのご指導をいただき、朝起きてすぐ公文の宿題をすることを続けた。

元旦も朝起きてすぐにやったくらい、真面目にとりくんでいる姿に涙が出るほど感心した。

まだ4歳なのに…なんて忍耐強いのだろうと思った。

親も宿題を見るのは大変なので、主人にも協力してもらった。というか9割くらい主人がやってくれた。私が朝ごはんをつくってる間に見てくれたのだ。出勤前の貴重な朝の時間に付き合ってくれるのだから本当に優しい旦那だと思う。

くーちゃんは何かにハマると、ずっとそのことが頭から離れない子だったので、私のスマホでマリオのゲームをさせてみたら、一日中マリオのBGMを口ずさむようになった。

宿題をしていても、家で電車で遊んでいても、幼稚園の帰り道でもマリオになりきっていた。

何もない場所でも彼にだけ見えるハテナブロックを右手をぐーの形にして下から上にパンチしていた。

塾でもずっと離れなかったのだが、先生の指導は素晴らしかった。

『じゃあ、小さい声でBGMをうたいながら、この問題やってみよう』

と言って自由に楽しく学ばせてくれた。

もちろん貸切状態だったから特別にできたことであって、他に誰かがいたら勉強の邪魔になるしできなかったと思う。臨機応変に柔軟に対応してくれたことがありがたかった。歌うことをうるさい!と咎めるどころか

『くーちゃんは2個同時にできるからすごいね。』と褒めてくれた。なんて素晴らしい教育なんだろうと感動した。

塾は今も続けているが、さすがにもう歌うことはなく静かに勉強できるようになりました(笑)

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