34話 お誘い
“明日予定空いてる?良かったら遊びに行かない?”
「おっふ」
学校から帰ってきてスマホを開くと、彩からのメッセージが届いていた。
実は彩とはレンタル彼氏としてのアカウント以外に、俺個人のアカウントも交換しているのだ。そして、何気に俺個人のアカウントではダリア以外から女性のメッセージは滅多に届かないのでかなり嬉しい。
“一応聞いておきたいんだけど、それはプライベートの誘い?それともレンタル?”
勿論OKするが、一応プライベートかレンタルかの区別はしておいたほうが良い。2人の認識が違うと、後で金銭トラブルに発展しかねない。
“私はプライベート希望。他にも誰か誘いたいし”
“おけ。じゃあダリアとか適当に誘うわ”
“お願い。時間と集合場所とかは後で連絡するね”
俺はスマホを消した。
実を言うと、プライベートで女友達と遊んだことが全くない。
(とりあえずダリア来れるか聞くか)
俺は自室の扉を開けてリビングに足を運んだ。
「そうですか……はい、ありがとうございます。助かります」
リビングに着くと、ダリアが誰かと電話していた。
普段敬語なんて使っていないダリアが敬語を使うのを見るとなんだか新鮮だ。相手は先輩とか、先生だろうか。
「では失礼します。ご協力ありがとうございました」
ダリアは電話を切り、スマホに何か打ち込んでいるようだった。
内容は気になるが、ダリアが敬語を使うということは、かなり重要な事だったのだろうし、なにより俺はジェントルマンなので聞かないでおく事にした。
「ダリア〜明日ってお前暇だよな?」
「お、ショウ君。暇だけどどうかした?」
ダリアはスマホから顔を上げ、不思議そうに尋ねてきた。
「彩から遊び誘われてよ、ダリアも来るか?」
「現時点で決まってるのは誰?」
「俺と彩だけ」
ダリアはそれを聞いて顎に手を当て少し黙り込んだ。 何秒か経って、ダリアはバッと顔を上げ言い放った。
「行く!」
「おけ」
俺はチャットを開いて“ダリア参加”とだけ送った。
俺は他にも誰か誘うべきかと思ったが、よく考えれば俺と彩の共通の友というのがいないことに気がついた。ここで下手に俺以外誰も知らない奴を誘えば、遊んでいる時に絶妙に気まずい空気が流れる事は避けられない。
俺はこれ以上誘える共通の友もいないので、誘う事は諦めた。彩が他に人を誘ってくれる事を願うしかない。
(彩、任せた)
学園一の美少女はレンタル彼氏の俺をレンタルしました。 さすふぉー @trombone1123
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