第9話 選ばれし者 9
アルト一行が向かった先は、この村一番の大きさを誇る教会である
普段は、避難所や会議の場としても使われるため、かなり綺麗だ
アルト (昔はここで遊んでいたな)
ライタ (あぁぁぁ。どうする?どうなる?ってかめっっっちゃ緊張する。ここで決まるのか。俺に合っている職業は。冒険者は.......無理だな。ってか人とあまり出会わないのが良いな。一人黙々黒魔術なんて.....俺なんかに無理か。え?俺終わった....)
アルトとライタが過去、未来を考えていると教会の前に一人の男がいた
ハヤテ「おーい。遅刻しなかったな」
こちらに気づいたハヤテが手を振りながら、冗談交じりに呼んだ
アルト「当たり前だよ」
ハヤテ「って...ライタもいるのか」
つい先程思い出したかのように名前を呼んだハヤテ。しかし、今のライタにそんな声が届くはずなく
ライタ「ぶつぶつ」
ハヤテ「何があったんだ」
異様な光景に首をかしげる
アルト「何でだろうね。それより、大丈夫だったの?」
昨日のこともあり、アルトはハヤテの現状を聞いた
ハヤテ「ん?あぁ、大丈夫だよ」
なんとなく察してか、アルトの質問に答える
アルト「そっか、よかった。ところでカナデは」
ハヤテ「...あっちに行った」
ハヤテが指した先に、カナデと謎の男がいた
カナデ「なるほど、回復系にそんな使い方が、勉強になります。それで...」
見ると、カナデは紙にペンを走らせている
アルト「あーね」
アルトはすべてを理解し、ゆっくりと視線を逸らす
ハヤテ「そろそろだぞ!」
ハヤテはカナデに聞こえる声量で教える
カナデ「あー、わかった。後ちょっと」
こちらを見ずに答える
アルト「後ちょっと、か」
ハヤテ「ま、先に行ってるか」
三人は教会の中へと進む
ー教会ー
ハヤテ「人、少なくないか?」
アルト「あーそれはね」
アルトはライタから聞いたことを教える
ハヤテ「なるほど、なるほど。この分だと早く終わりそうだ。パン食う?」
ハヤテの箱の中から、昼に食べる予定だったいくつかパンを差し出す
アルト「朝食べたから大丈夫だよ」
タタタタ
カナデ「遅れてごめん」
紙とペンを握りしめながら向かって来るカナデ
ライタ「よ、カナデちゃん」
カナデの声を聞いて復活したのか元気を取り戻すライタ
カナデ「.....」
カナデは口と目を丸くさせながらライタをみた
ライタ「もう、何でだよ!」
ライタは膝から崩れ落ち、両手で頭を抱えた
カナデ「冗談、冗談だよ」
ライタ「カナデちゃん」
カナデがそう言うと、ライタは目をうるうるさせながらカナデを見る
カナデ「あー。少ないとは聞いていたけど、こんな少ないとは」
アルト・ハヤテ「「え?」」
カナデの一言に二人は唖然
カナデ「え?」
二人の反応にカナデも唖然
アルト・ハヤテ「「知ってたのか?」」
カナデ「ハヤテはともかく、アルトは妹ちゃんから聞いてなかったの?」
アルト「聞いて無いけど」
カナデ「え~。せっかく妹ちゃんに教えてあげたのに」
ざわざわ
ライタ「そろそろ、座りましょ」
ライタがそう言うと、みんなその場に座った。すると男性が数人、教会の奥から入ってきた
「えーおはようございます。私の名前はエレアと申します。今日はお集まりいただきありがとうございます。では、名前を呼ばれた方から前に来てください」
定型的な文言で淡々と話を始める男性にこんなものかと、若干の期待を寄せていた彼らは落胆した
エレア「あれ?名簿は?」
「右の紙ではなく、左の紙です」
途中グダグダになったものの、ついに彼らの番になった
エレア「ライタ」
ライタ「は、はい」
ライタは緊張してか、右手と右足を同時に出すという、あまりにも歩き辛い形で進む
______________
あ
私が勇者だ @kokoroyomi
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