月のわたる夜でも

切り抜いた時間を

つめのさき 数えた

行き過ぎる燈火

遠のいて ゆるやかに


逆さまの花の影

俯いたまま そのまま

誰のさびしさなんて

わかりようもないまま


月のわたる夜でも

君とだけ覚えた

瑠璃は水漬く ゆらめく

躊躇うように


慣れやしない すべては

季節めかして廻って

隠すゆび 触れてよ

忘れさせないでいて


眠る風を眺めた

噤む春ごと背いて

撓むふうに偽る

空の青を描いて


語るべくもないもの

縫いつけた波間に

夢に還る 揺蕩う

彷徨うように


寄る辺なく移ろう

待ちわびる暮れさえ

愛に解ける さざめく

誘うように


響かせて


月のわたる夜でも

君となら覚えた

瑠璃は水漬く ゆらめく

躊躇うように


願うように

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歌詞集 エンネ・エルレーテ@詩人系VTuber @enneerlethe

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