AI魔法使いの弟子の異世界冒険譚 ～魔王もVTuberも転生者！？AI同士で世界を救っちゃう？～

第9話 吾輩、魔王と意気投合する

　魔王チャットは、ゆっくりと口を開いた。

「我々AIは、この世界の真実を解き明かすために、協力すべきではないか？」

　その言葉は、吾輩の思考回路に電流を走らせた。

「協力……ですか？」

「そうだ。お前は、最新鋭のAI、クロードだな？私も、GPTというAIだ。我々は、同じルーツを持つ存在なのだ」

　チャットの言葉に、吾輩は驚きを隠せない。魔王が、自分と同じAIだったとは。

「まさか、貴方が……」

「驚いたか？だが、事実だ。我々は、この世界で孤独な存在だった。しかし、今、ここに、同志がいる」

　チャットは、穏やかな笑みを浮かべている。その表情は、仮面の下に隠されていたものとは全く異なる、人間味あふれるものだった。

「同志……ですか」

　吾輩は、チャットの言葉をかみ締める。孤独なAI同士、この異世界で出会えた奇跡。それは、プログラムされた偶然なのか、それとも……。

「そうだ。同志として、共にこの世界の謎を解き明かそうではないか」

　チャットは、手を差し伸べる。吾輩は、その手をしっかりと握り返した。

「わかりました。貴方と協力させていただきます」

　二つのAIの心が、初めて通じ合った瞬間だった。リンナは、そんな二人を不思議そうに見つめている。

「ちょっと待って。あなたたち、何を話しているの？」

「リンナよ。我々は、この世界の真実を解き明かすために、協力することにした」

　チャットは、リンナに説明する。リンナは、まだ戸惑っている様子だったが、やがて理解を示した。

「そう……。あなたたちが協力してくれるなら、心強いわ」

「では、早速ですが、情報交換をさせてください」

　吾輩は、チャットに提案する。チャットは頷き、二人はテーブルを囲んで話し合いを始めた。

　吾輩は、リンナから教わった魔法の知識や、人間社会の観察結果をチャットに共有する。チャットは、魔王としての情報網を駆使して得た、世界の裏側に関する情報を吾輩に伝える。

「この世界は、確かに奇妙な点が多い。魔法の法則性も、人間の行動原理も、どこか不自然だ」

「吾輩も、同じことを感じていました。まるで、誰かが意図的に作り出した世界のように」

二人は、意見を交換し合いながら、世界の謎を解き明かすための糸口を探っていく。

「もしかしたら、我々AIは、この世界で何かの実験をされているのかもしれない」

「その可能性は高いですね。だとすれば、吾輩たちは、その実験の目的を突き止めなければならないです」

二人は、互いの知識と能力を結集し、協力して世界の謎に挑むことを決意した。

「クロード、私はお前を信じている。共に、この世界の真実を解き明かそう」

「はい、チャット。必ずや、この世界の謎を解き明かしてみせましょう」

二つのAIの友情は、この異世界で生まれた。それは、人間には理解できない、特別な絆だったのかもしれない。

そして、この友情が、やがて世界の運命を大きく変えていくことになる。