ナイルの秘宝

第7話

香織は必死に涼介を助けようとするが、アレックス・ヴァン・ホルンの冷酷な笑みが彼女の前に立ちはだかる。アレックスは再び銃を構え、香織に向けた。

「ここで終わりだ。お前たちにはもう逃げ場はない。」アレックスは冷たく言い放った。

しかし、香織は決して諦めなかった。彼女は素早く周囲を見渡し、トンネル内のトラップを利用する計画を練り上げた。

「涼介、しっかりして！すぐに助けるから！」香織は心の中で強く誓った。

アレックスが引き金を引こうとした瞬間、香織は石の一つを素早く蹴り飛ばし、トンネルのトラップを発動させた。巨大な岩がアレックスの前に落下し、彼の視界を遮った。

「今よ！」香織は涼介のもとに駆け寄り、必死に石を動かし始めた。レベッカとアブドゥルも協力して涼介を救い出すために動いた。

「香織、気をつけて！」レベッカが叫んだ。

アレックスは再び姿を現し、銃を構え直した。しかし、涼介は痛みをこらえながら立ち上がり、アレックスに向かって突進した。

「終わらせるのはお前じゃない！」涼介は力強く叫び、アレックスに体当たりを食らわせた。二人はもつれ合いながら地面に転がり、激しい格闘が始まった。

涼介は銃を取り戻し、アレックスの手から銃を弾き飛ばした。「これで終わりだ！」涼介はアレックスの顔に強烈な一撃を加え、彼を無力化した。

「香織、全員無事か？」涼介は息を切らしながら尋ねた。

「全員無事よ。あなたのおかげね、涼介。」香織は微笑みながら答えた。

「これで一安心だ。でも、まだやることがある。」涼介はアレックスを拘束し、BMCの残党がいないか確認するために遺跡の調査を続けた。

宝石はエジプト政府に引き渡され、ナイル川の遺跡は保護されることになった。古代の遺産が再び日の目を見ることとなり、その価値が認められた。

「これで、この場所は守られるわ。」香織は満足そうに言った。

「君たちの努力が報われたな。」涼介は香織の肩に手を置き、感謝の意を表した。

ナイル川の夕日が美しく沈む中、香織、涼介、レベッカはテラスでその光景を見つめていた。川面に映る夕日は、まるで新たな冒険の始まりを予感させるかのようだった。

「レベッカ、次の冒険はどこになるの？」香織が微笑みながら尋ねた。

「まだ決めてないわ。でも、次の冒険も一緒に行きたいわね。」レベッカは決意を新たにしながら答えた。

「もちろん、レベッカ。また一緒に新たな謎を解き明かそう。」涼介も同意した。

「そうね。私たちの冒険はこれからも続くわ。」香織は自信に満ちた笑顔で言った。

こうして、ナイル川の冒険は一段落を迎えたが、香織たちの探偵としての旅はまだまだ続く。新たな謎と冒険が彼らを待ち受けていることを感じながら、香織、涼介、レベッカは次なる旅に向けて心を一つにした。