第5話 未来
「手酷くやられたな貴様ら。いじりがいがあるというものだ」
「お手柔らかに頼むよ...」
引きつった笑いをするナハト。実際フィロの腕は凄まじく二人の手当をあっという間に終わらせてしまった。二人共まだ安静にしなければならなかったがフィロは手当てされた後の患者には興味がないらしく4人共々追い出されてしまった。
「そんで、俺に何してほしいの?」
「俺の未来を視てほしいです」
「おっけー」
「え...いいんですか 昔はあんなに嫌がってたのに」
「俺にも色々あったんだよ 行くよ〜」
眼帯を外すナハト。露わになった左目は宝石のような輝きを放つ。しばらく時間が経つと、突如ナハトが苦しみ出す。
「うっ...」
左目からは血が滴り落ちる。未来視の使い過ぎによるものだ。
「大丈夫か...?」
心配そうにナハトの目を覗き込むミディ。
「だいじょぶ。とりあえずモルテ。俺から言えるのはこれだけ」
「勇者は神界にいる。いずれ神々との戦いが始まるからそれまでに戦力を整えないといけないよ」
「具体的にはなんかないんですか?」
「神とかいる状況で未来視頑張っただけ褒めてほしいんだけどね!?干渉するのすごい大変でおおまかにしか見えなかったよ」
「なるほど。助かりました。ありがとうございます」
「じゃあもういい?俺帰って休みたい」
「いや。俺に協力するって言った以上最後まで付き合ってもらいますよ」
「まじか...まあいいけどさ。俺の目的も神だし」
「とりあえず休もう...今日も野宿だね...」
ため息をつくマレク。
「二人共住むとこないの?じゃあウチくる?」
「え?」
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