モルテ編:サヴマ

 どうしていつも自分だけが生き残ってしまうのだろう。自分に生きる価値などないというのに。もう何もかも嫌になってしまった。

 そこで脳裏に親友の姿を思い出す。

「この世界を頼んだよ」

 親友はそう言った。そうだ。使命を果たすんだ。それまでは死ねない。自分なりの方法で人々を守って見せる。

 そう決意したとき、モルテの体が光る。その光はモルテの中に入り込み収束した。

「これは...?」

「自力で発現するなんて流石だね」

「誰ですかあなた」

「アーディだよ。よろしくね」

「ふんふん。君のサヴマは...他人の致命傷を引き受ける能力?すごい力だね...」

 悲しい目をするアーディ。

「いきなりなんですか。サヴマ?」

「ああごめんね。簡単に言うと君の願いが能力になる感じだよ。君は他人の身代わりになるのが好きなんだね」

「どうでもいいですよ。世界が守れるのなら」

「そっか。頑張ってね」

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