第16話 夜更けの侵入者

 射禁2日目の夜。

 道乃丈は夜見の部屋で夕飯を作ったあと、一緒に食べずに自室へと戻っていた。


「ダメだ……夜見さんたちと一緒に居るだけでギンギンになってしまう……」


 そう、まだ2日目の夜にもかかわらずそういう状態。

 なのでなるべく夜見たちとの触れ合いは避けるべく、さっさと部屋に帰ってきたのである。


「でもこの夜が明ければ3日目に突入するんだ。もう折り返し……頑張れ僕」


 自分にそう言い聞かせ、この日の道乃丈は早めに寝ることにした。


 そうして寝付き良く夢の世界に飛び込んだ道乃丈だったが――、


「……ん……?」


 夜更けに目が覚めてしまった。

 理由としては、身体に謎の重みを感じたからである。


 真っ暗な部屋の中。

 タオルケットを掛けて寝ている道乃丈の全身を覆うかのように熱の塊が密着している。


(……人?)


 そう、それは明らかに人だった。

 誰かが道乃丈を抱き枕のように扱っているのだ。

 しかも肌の密着具合からして裸。

 道乃丈も脱がされていた。


 夜目の利いてきた視界がその人物を捉え始める。

 果たしてその人物とは――


「……さ、紗綾さん」

「あ……起こしちゃった?」


 そう、ベッタリとくっつきながら横たわっているのは金髪ウルフカットのギャル系お姉さんであった。


「な、何してるんですか……」

「へへ……ミチオ成分が足りないからマスターキーで侵入しちゃった……♡」

「……しょ、職権乱用じゃないですか」


 最初に出会った日のことが思い出される。


「ごめんね……でもミチオがさっさと部屋に籠もっちゃうから、寂しかったんだもん」


 どこか拗ねるように呟きながら、ちゅっとキスをされる。

 それからぎゅっと改めて密着されて、道乃丈に緊張が走る。

 勝手に脱がされての裸同士。

 柔肌がむにゅりと触れてきて、道乃丈の道乃丈はもちろんスーパー道乃丈に覚醒してしまう。


「……ミチオ、つらそうだね?」

「や、ヤバいです……」

「アタシ……居なくなった方がいい?」

「……いや……居てください」


 道乃丈はそう言って紗綾の身体を抱き締めた。

 色々とつら過ぎるのは確かだが、住まいのことでお世話になっている紗綾をないがしろにはしたくない、という考えがある。

 勝手に侵入してくるような困ったお姉さんだが、そこに悪意はないので別に何か思うところはない。

 むしろそこまでして触れ合いに来てくれるのは嬉しい限りと言える。


「ミチオ、優しいね……」


 穏やかに囁きながら、紗綾はまたちゅっとキスをしてくる。


「じゃあ、我慢し終わった暁にはアタシでいっぱい発散しなね……♡」

「さ、させてもらえるんですか……?」

「もちろん♡ 奥まで好きなだけズボズボしていいし、そのままネバネバの遺伝子たんまりと撒き散らしちゃっていーよ♡」


 ごくり、とその光景を想像しただけで喉が鳴り、高ぶるモノがあった。

 けれど、今は我慢。

 

 こうして今宵の道乃丈は、紗綾といっぱいキスをしながらおっぱいを揉んだりして気を紛らわし、どうにかこうにか眠りに就いたのである……。

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