第47話 ターナとリアーナ
「ははは、バレたかぁ!
察しの通り、虹色野菜には攻撃力を高める作用があるんだよ。
だけど、ギルメン達にはまだ内緒にしててくれ。
虹色野菜は俺達の秘密兵器みたいな所があるからなぁ。」
俺はロアの頭をぐりぐり撫でながら言う。
ロアは子ども扱いが頭にくるらしく、俺の腹部を剣の柄で小突いた。
結構痛い…
「おい、ロア!
俺は非戦闘員なんだから、手加減しろよ!」
「かなり手加減したぞ…
オレさまを子ども扱いするなっ!」
「えー…
わ、わ、分かったよ!」
ロアが俺に剣心を見せたので、慌ててそう言った。
確かにロアはギルドリーダーだ。
下手に子ども扱いされたら、示しがつかないのかもしれない。
モコとレストはドラゴン討伐に行ったらしい。
ロアが久しぶりにドラゴンの肉が食えると喜んでいた。
「そっか!
順調そうで何よりだ!
3ヶ月後には、決闘があるからな。
よろしく頼むよ、ロア!
頼りにしてるぞ!」
そして、その日も1日が終わっていった。
次の日、俺が朝食を食べ書類のサインを終わらせて、種研究ガーデンに行くと、ターナとリアーナが種を蒔いていた。
「あらぁ、エイト!
いい所に来たわねぇ!」
「初代種研究ガーデンのリアーナじゃないか!
戻ったのか?」
「ターナの応援よぉ!
私もギルドメンバーの指導で忙しんだからぁ!」
「あ、そっか。
リアーナは元々戦士だったよな。」
なんとなく種アドバイザーの印象が強いが…
「今蒔いた種の組み合わせは新しいんですよ!
リアーナさんと一緒に考えたんです。」
ターナが言う。
「へぇ…?
何が成るのかなー?」
俺は地面を見つめる。
すると、パステルレインボーの大根が成った!
「やったわぁ!
大成功よぉ!」
「やりましたね!
リアーナさん!」
2人はハグして飛び回る。
「えーと…
これは、どんな作用があるの…?」
俺は見たこともない大根に戸惑った。
「さぁー?
食べてみないとねぇ?」
「ふむ。
じゃ、和食レストランにおでんにしてもらおう!」
俺はパステルレインボーの大根を預かった。
そして、おでんを鍋ごとギルドに持っていった。
ギルメン達は旨い旨いと食べている。
すると…
「おっ?なんだか、筋肉量が増えたような…?」
「身体が硬くなった気がする…」
ステータス計で測ってみると、防御力が格段に上がっていた!
「こりゃあ、すごい!」
「おい、そのこんにゃく俺のだぞ!」
「卵寄越せっ!」
ギルメン達のおでんの取り合いが始まった。
「まぁまぁ!
みんな、まだまだあるから!
明日持ってくるよ!」
と言って、俺はみんなを宥めた。
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