第9話 久しぶりの東京でビデオ撮影
僕は衣装や下着、化粧道具などを詰めた大きなカバンを持って久しぶりの東京に戻ってきた。何年もたっていないのに東京は随分景色が変わった気がした。僕の姿は以前生活していた時のような可愛い男の子ではなく、何処から見ても女性の姿だ。ただ、10代だったころのはちきれるような若さはない。それでもすれ違う男性からの視線は痛いくらいに感じる。
久しぶりに事務所に行くと以前からいたスタッフの懐かしい顏が僕の目に飛び込んできた。「相変わらず可愛いね。以前と全く変わっていないよ。そのままグラビアアイドルが出来そうだ」と言って僕を迎えてくれた。スタッフは「無理にお願いしてしまい、恐縮です。最近の男の娘ビデオは可愛いだけでは売れないんで、名前の有名なアユミさんに出て頂き、セクシーな姿になってもらえれば大評判になると思うんです」と言った。
そして、「絡みのシーンは少なめで、ポートレート風の映像も撮りたいと思っているので、可愛い衣装も用意しておきました。それから、下着類も普段は身に着けないようなセクシーなものがあるので気に入ったものを使ってください」と言った。更に「男優も普段使っている人とは違うイケメンを確保しているので、二人のデートシーンも撮るつもりです」と言い、僕に紹介した。
ただ、僕は一つだけスタッフにお願いした。それは「ぼくが抱かれるベッドシーンはいいです。オーラルプレイも構いません。ただ、本番のアナルプレイだけはしたくないんです。それだけは約束してください」とはっきり言った。
撮影は公園で手をつないだデートシーンのほか、ショッピングや食事のシーンを撮り終えるとホテルの部屋を使った絡みのシーンの撮影になった。僕は可愛い花柄のショーツとブラにガーターストッキングを穿き、透け透けのキャミソール姿になった。僕が着替えを終えて部屋から出てくるとスタッフは勿論、男優のイケメンも思わず声を上げて僕の姿に見入ってしまった。
絡みのシーンの撮影になる
カメラが回りはじめ、僕が夕暮れの窓際に立つと男優が僕の後ろから抱き振り向いた僕の唇にキスをする。濃厚なディープキスの後、僕はベッドまで抱き抱えられて僕の上に男優の身体が重なる。キャミソールを脱がして僕の身体を愛撫しながら男優の手がショーツに伸びると僕の股間がアップになる。僕のアソコを男優が咥えているのだ。僕は女のような声で喘ぐと男優は僕の腰を持ち上げながらアナルへも舌を這わせてきた。そして、男優が僕に重なる場面でカメラは止まった。
ここから先は僕のお願いした通り、NGなので撮影は休憩になった。イケメンの男優は折角興奮して絡みのシーンになる手前で休憩になったのが不満のようだったが、この後に僕の口や喉が犯されるシーンになるので、僕が身体にバスタオルを巻いた姿で深呼吸をしながら気持ちを落ち着けた。でも、男優のあそこは僕が想像していたよりもはるかに大きいので、僕も覚悟をしてバスタオルを取ってベッドに向かった。
男優は自分の大きなものを僕に咥えさせると更に喉まで入れてくる。そして、そのまま腰を使い、口の中で男優は絶頂を迎えて大量の精液を僕の口に放出した。カメラのアップに応えるように僕は大きく口を開け、口の中から溢れそうなザーメンをカメラに見せながら、それを嬉しそうな顔で呑み込んだ。強烈な臭いが鼻をつき、舌には苦い味がいつまでも残って消えなかった。
予定にないセクシーなポーズの撮影
そこで、撮影は終わりかと思っていたが、僕のセクシーは姿を撮りたいというので、僕は裸のままそこに残り、お化粧を直して、またセクシーな下着を身に着けた。スタッフは何処から見ても男に見えない僕がセクシーなポーズを取った姿を撮りながら、モザイク付きだが僕のあそこの画像のアップが欲しいのだ。僕は出来ればやりたくないのだが、そこは仕事と割り切って応じることにした。
ただ、最近の僕は薬のせいもあるが、大きくならない時もあるのだ。しかも以前に比べてサイズも随分小さくなってしまった。でも、男の娘と言うことが分かっている人たちが見るので、本当は男だということが分かればいいのだ。そんな撮影の一日が終わり、僕は普通の女性の姿に戻りホテルを後にした。とても忙しい一日だったが、その日はホテルへ泊まり、翌日は本業でもあるデザインの仕事の打ち合わせをすることにした。
それから、しばらくたったある日のこと、完成した僕のDVDが届いた。ただ、編集された内容は僕の考えていたものとは随分違い、可愛さよりも僕が本当は男だということが強調された作品になっていた。可愛く振舞う僕の姿やセクシーで魅力的な映像も確かにある。でも、モザイク処理をしてあるものの男優が僕のあそこを咥えたシーンや僕が下着を脱いで胸やお尻、そしてあそこのアップがメインになっているのだ。興味を引くためには仕方ないかもしれないが、僕が安っぽく扱われているようで、とても悲しい気持ちになった。
更にもっとショックなことがその後に待っていた。AVビデオでは絶対に見せてはいけない部分にはモザイク処理をするのが決まりになっているが、何処から流出したのか、無修正のものが出回っているといううわさが流れ、ネットで話題になってしまったのだ。
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