第7話 僕たちの生活が一変
信じられない出来事
僕の飼い主で、心から崇拝する女王様であるアヤ様が、優しく僕をベッドに招き入れてくれたことは驚きだった。今までにこんなことは一度もなく、セックスは勿論、同じベッドで寝たことさえないのだ。信じられないことにアヤ様は僕にキスをして抱きしめてくれた。そして、アヤ様は、「今日の調教で、私は女王様として最後のプレイにするつもりでいたの。今まで私の可愛い奴隷でいてくれてありがとう。これからは私があなたの可愛い妻として普通の夫婦として生きるつもりよ」と言った。
僕は信じられない彼女の言葉に返す言葉を失ってしまった。僕がアヤ様を養っていく覚悟をしたことが現実になってしまったのだ。「私は今日で女王様は引退します。高校生の時から私の我儘を許してくれて、どんな無理を言ってもそれに応じてくれたアユミに心から感謝します」と言った。今まで自分たちは夫と妻が逆転した生活をしていた。アヤ様が外で働き、僕が主婦の様な生活だ。それでも、僕は幸せで、一生懸命アヤ様に尽くしてきた。
ただ、これからはアヤ様が僕のことを支え、男の娘アイドル、SMプレイのモデル、更にデザイナーとしての仕事をバックアップしてくれようとしている。ただし、僕はアヤ様が女王様だからこれまで活動することが出来た。僕のマゾ奴隷としての心を毎日の様に満たしてくれたアヤ様がいなくなるのは辛く、僕は自分のモチベーションを保つことが出来ない。
そこで、僕は「アヤ様、女王様を引退しても家の中では僕の大切な女王様でいてください。そうでなければこの先僕は生きていけません」と言ったが、アヤ様は「本当は私、アユミの子供が欲しいの。二人で子供を育てながら生きていきたいの。幾ら苦しい生活でも、この田舎で子供と一緒に暮らしていければ幸せだと思うようになったの」と言ったのです。
彼女の心の変化
女王様は本来、奴隷を性対象の男とは思っていない。ペットや家畜、召使の様に扱い、自分の性癖を満たしてくれる対象なのだ。だから、自分の飼っている奴隷と性的な関係になることはない。僕は高校生のときにアヤ様に出会い、彼女の心を満たす一方で奴隷として常に彼女に守られて生きてきた。彼女と結婚をした後も以前と変わらず家の中では彼女は女王様、そして僕は常に全裸の奴隷として家事をこなしてきた。
ただ、どう彼女の気持ちが変化したのか分らないが、普通の夫婦のような生活がしたいと言い出した。そして、彼女は僕をベッドに招き入れ、ゆっくりと自分の気持ちを話し出した。
「私は初めてアユミを見た時からあなたのことが好きだったの。みんなから可愛いと言われ、ちやほやされているあなたを私一人のものにしたかったの。私はあなたに近づくためにアユミを虐める男たちから守り、私一人の奴隷にしようと考えたの。そうすれば誰もお前に手を出せないし、私一人のものに出来るからよ」と言った。
「でも、アユミは私の物になったけれど、どんどん有名になってしまい、また私の手の届かない所へ行ってしまった。そのために私はいつでもアユミの傍にいたいと思ってSMや緊縛の技術を覚え、一緒にいられるように頑張ったの。いつかは私がアユミを支え、一緒に生きていけるようになりたかったけれど、あなたは更に有名になって離れていってしまったわ。だから、私にはこれが限界。あなたについていく道を選びたいの」と言って僕を優しく抱いてくれた。
初めて一つのベッドに二人で入る
僕にとって二人でベッドに入るのは初めての経験で、僕には女性との性体験がない。ご奉仕はするので彼女の裸や性器を見たことが無いわけではない。でも、女王様は奴隷とはセックスしないのが当たり前だと思っていた。ただ、彼女の手が僕の股間に触れた時、僕の身体は反応してしまい、気が付くと固く、大きくなっていたのだ。彼女の身体に招き入れられるように重なった童貞の僕は生れて初めて彼女と身体を合わせた。彼女に見られながらするオナニーとは全く違う初めての経験は、あっという間に終わり、僕は彼女の身体の上で果てた。
これで、本当にいいのかどうか、まだ僕には分らない。多分、これからも僕は彼女のことをアヤ様と呼ぶだろうし、彼女も僕のことを「あなた」ではなくアユミと呼ぶと思う。ただ、これまでと違うところは彼女の帰りが以前よりも格段に速くなり、夕食や家事を作るようになったことだ。そして、気が付くと彼女が妊娠していることが分かった。日に日に大きくなっていく彼女のお腹を見ながら過ごす日々は全く今までと違うものになってきた。
ただ、そんな私たちの普通の夫婦生活とは相反して、僕たちの写真集は評判になっていった。SM夫婦の緊縛プレイはインパクトがあり、しかも縛られているのは女性ではなく、男の娘の僕なのだ。美しい妻に縛られ、真っ赤な長襦袢姿の僕が天井から吊られ、鞭で打たれている姿はとても官能的に見える。男女が逆転した緊縛画像は見る者を興奮させ、人気の写真集になっていった。
次回作を楽しみにしている読者も多いと出版社から連絡があったが、僕たちに次の作品はもうない。既に僕たちはSM夫婦ではなくなり、ごく普通の夫婦になってしまった。とてもお腹の大きな彼女に撮影などさせられないのだ。ただ、妊娠してお腹の大きくなった女性に調教される夫である男の娘の画像はとても魅力的で、これまでになかったプレイとして作品に残したいと出版社は新しい企画を立ち上げてきた。でも、もうSMプレイをするつもりのない彼女は決して首を縦には振らなかった。
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