第6話 今度は僕が彼女を支える番だ
アヤ様の返事は僕の想像と違っていた。大人しく会社の命令に従う道を選んだのだと思っていたけれど、彼女は出世など既に諦めていて、いつでも辞める覚悟をしているのだ。僕のことを奴隷にした高校生の時から何があっても仕事より僕を選び、自分は女王様として生きていく決心をしているのが分かった。
前にも「アユミと別れて暮らすくらいなら仕事を辞めるわ」と言ったことがあったけれど、それはアヤ様の本心だった。彼女の言葉を聞いて、僕は何処までもアヤ様について行こうと心に誓った。奴隷の僕は彼女の命令に逆らうことは許されない。彼女の決めたことに従うだけなのだ。
その時、アヤ様はプロの緊縛師を目指しているのかもしれないと僕は思った。だから、会社を辞めて収入の無くなったアヤ様をこの先僕が養っていかなければならないと覚悟した。これまでアヤ様は自分の趣味ばかりでなく、僕のために仕事を犠牲にしてきた。これからは僕が生活するためのお金を稼ぎ、アヤ様の夢のためにどこまでも着いて行こうと決めた。
僕は高校生の時にアヤ様に奴隷にして頂いた。彼女が僕を奴隷にすると言うことは決して僕を虐めるためではなく、僕のことを守ってくれるためで、僕に対する男子からの苛めはその後はぴたりと無くなり、手出しをする者はいなくなった。ただし、クラスで一番可愛い男の子がアヤ様の者になったことで、僕はクラスのアイドルではなくなった。
ただ、その一方で僕はデザインの才能を発揮すると同時に男の娘アイドル雑誌に写真が載るほど人気者になった。そして、それをアヤ様は陰から支えてくれて、僕が自由に活動できるようにしてくれた。今度は僕が彼女に恩返しをしなければいけない。彼女の夢を叶えてあげるために僕はどんなことでもするつもりでいた。
僕がアヤ様に贈る奴隷誓約書
僕はアヤ様の前で奴隷になる誓いはしたけれど、彼女に誓約書は書いていない。幾ら心が通じ合っているアヤ様と僕でも婚姻届と同じように正式に残しておく証が必要で、僕にと言って奴隷として飼われることは婚姻よりも重い事実なのだ。僕は死ぬまでアヤ様に仕える気持ちを形にして伝えたいと思っている。誓約書と言うよりは僕の人生の契約書かもしれない。
その話をアヤ様にすると「私はアユミと会って結婚するずっと前から一生私の大事な奴隷として飼うつもりでいたわ。私はどんなことがあってもアユミを手放すようなことはしないと心に誓ったの。お前は私にとって何よりも大切な奴隷よ。どんなことがあってもずっと一緒。でも、それでアユミの気持ちが済むのならば誓約書を受け取るわ」と言った。
僕のまとめたアヤ様への奴隷誓約書は下記のようなものでした。
1、私 アユミはアヤ様を生涯唯一のご主人様とし、ご命令には決して逆らわず絶対服従を誓い、全ての権利、財産はアヤ様に差し出します。
2、私は自ら別れたり、裏切ったりすることは如何なる状況であろうとも絶対にありません。浮気は勿論、不安な思いは決してさせません。
3、私には拒否する権利はなく全てご主人様のご命令通りに従うことを誓います。
4、ご主人様のご命令に背いた場合はどんな厳しい罰も甘んじて受けることを誓います。
5、私は大好きなご主人様がご命令により、常に全裸でいることを誓います。そして、ご主人様にアユミの身体をご覧頂ける事は光栄な事です。
6、私はご主人様のお気に召すような好みの男の娘でいる事を誓います。ご主人様には最大級のご奉仕をさせて頂き、仕事・生活も全てご主人様に尽くすことを誓います。
7、私はご主人様の為ならどのようなことでもする覚悟で、立派な奴隷になる事を誓います。
上記 私、アユミは、アヤ様に対して下記に自記署名の上宣誓致します。
2024年 1月1日
ご主人様 アヤ様
奴隷 アユミ
それを読み終わったアヤ様は、しばらく無言で、涙を流しながら僕を抱きしめた。本来、僕は彼女の夫であり、アヤ様は妻。でも、僕たちは飼い主と奴隷の関係を今まで続けてきた。でも、この誓約書によって僕たちは完全に主従関係で結ばれることになったのだ。
僕にとってはアヤ様に出会った時からの念願で、彼女は僕を全裸にして跪かせ、「今日からお前は私の奴隷よ。私の物になるの。お前は私に対して絶対服従、私はお思を完全に支配する女王様。お前はこれからどんなことがあっても私から離れることが出来ない専属奴隷になるのよ」と言った時から僕の人生は彼女のために生きる奴隷になる決心をしたのだ。
僕が縛られて撮影される日が来た
そして、しばらくしたある日、僕たちのプレイを撮影するための人達がやってきた。編集者の希望通りに僕は着物姿で縛られることになった。僕の身体には殆ど毛が生えていないので全身がツルツルで、後ろ姿はお尻が大きくウエストの括れた女性にしか見えない。綺麗にお化粧をした僕は真っ赤な長襦袢を着けて、その上から着物を着せられた。帯は緩めに巻かれ、直ぐに胸やお尻がはだけるようにしてある。股間はスタッフには丸見えなので僕はとても恥ずかしくて真っ赤になってしまった。
艶めかしい姿を何度もポーズを変えて撮影し、最後は長襦袢姿で縛られ、天井から伸びた麻縄で吊られた姿の撮影になった。アヤ様が吊られた僕に鞭を振るい、僕の苦しさで歪んだ顔をアップで撮影する。はだけた僕の胸や股間には真っ赤な蝋燭が垂らされ、とても官能的な姿になった。そして今日はアヤ様もマスクをしていないのでその美しい顏が僕の目にはっきり見えた。
撮影が終わった時には僕はもうクタクタで、床に倒れ込んでしまい、しばらく動けない程疲れ果てていた。ただ、アヤ様は最後までスタッフの手伝いをしていたので、動けなくなってしまった僕はとても申し訳ない気持ちで一杯になった。そして、その晩は僕にとって信じられない出来事が起きた。いつものように厳しいアヤ様ではなく、とても優しく、同じベッドに僕を連れて行き、抱いてくれたのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます