第4話 結婚して僕は専業主夫

僕は、美大を卒業するとデザイン事務所に就職した。

大手ではないが、自分のやりたかった仕事なので、タレントやSMの仕事より数段やり甲斐があった。最初は見習いでしたが、次第に仕事にも慣れていきました。

一方、アヤ様は商社の総合職に採用され、毎日忙しくバリバリと働き始めた。だから中々会う時間が取れなくて寂しい思いをした。


最初は二人とも一人暮らしをしていたが、互いにそれが無駄だと思い始めた。

そして、3年目に僕がデザイン事務所を辞めて、独立したのをきっかけに僕たちは結婚し、二人一緒に住むことにした。恥ずかしかったけれど僕には寿退社だった。

新婚生活のために広い部屋に引っ越したが、荷物の殆どはアヤ様のモノで、僕の部屋は無かった。でも、自分の仕事スペースさえあれば僕はそれでよかった。


ただ、そうなると僕は完全に主夫で、家事は僕の仕事になった。でも僕はアヤ様の奴隷なのだから当たり前。朝の支度は僕の仕事で、裸エプロンをして朝食を作る。気持ち良く出勤出来るようにするのが僕の務めだ。

お尻丸出しで家事をしている僕を見ながら、食事をしているアヤ様はいつも機嫌がいい。

そして、元気に仕事に出かけるのだ。


僕は普段、家で依頼のあったデザインの仕事をしているが、未だに断れないSMの仕事がある。これはアヤ様も知っていることで、相手は僕たちの先生であり、理解者だから必ず出かけていく。

その方は緊縛師と呼ばれる縄の師匠で、僕はそこで縛りのモデルを務めている。モデルの殆んどは女性だが、僕は唯一の男性モデルとして先生の仕事をしていた。


先生が写真集を作った時にブックデザインを僕がお手伝いしたのが縁で、未だに関係が続いている。そして、アヤ様も先生の弟子になったみたいに時々仕事を見学に来る。縛られる快感を知ってしまった僕は、もう緊縛から抜け出せなくなっていたし、アヤ様にも縛って欲しいので、今でも続けている。


緊縛の魅力


僕とアヤ様は、緊縛の魅力に憑りつかれていった。

そして、僕たちは自宅マンションを改造して、天井に梁を通した。

業者には部屋の中心にブランコを吊るしたいので、人が乗っても大丈夫な梁にしてくれるように頼んだ。フックがついて、そこに縄を通した時にはとても感動した。


吊り床が出来ると一段とプレーに幅が出来た。僕の身体には縄の痕が常に残り、これまでに増して僕の身体には鞭の傷が絶えなくなったが、苦しい分快感も大きくなった。

身体の自由がきかないという事は、されるままに身を置くしかない。しかし、マゾはその中から悦びを感じ、恍惚に浸ることができる。これは決して苦しさではなく、心と身体の解放なのだ。


縛られることで、寧ろ身体から力が抜け、身を任せることで緊張もなくなる。そして恥ずかしい恰好をさせられる羞恥心だけで、身体に痺れるような快感が訪れるのだ。この時の僕の頭の中は真っ白で、何も考えられなくなっている。緊縛好きの彼女はそれを見るのが、最大の楽しみなのだ。


緊縛師になったアヤ様に縛られる


緊縛はきちんとした技術を持った人がしないと危険だ。いい加減に縛って吊ったりすれば大けがをすることもあるので、素人が簡単に真似をしない方がいい。技術を持った人に付いてときちんと習わずに、見よう見まねで縛ったりすると事故に繋がるからだ。


僕が縛られるようになったのは、写真集の企画で僕がブックデザインを頼まれたのがきっかけだが、写真集の制作で緊縛師の先生に出会い、気に入られた僕がその後に縛られることになった。


縛られた女性の姿はとても綺麗で、苦痛に歪んだ顔も美しい。僕は、縛られている女性が興奮し、股間を濡らしている姿を撮影中に何度も見た。そんな僕が縛られることになったのは、女性的だったからかもしれない。


緊縛師の先生は普段男性を縛ることは先ずない。だから、「君を縛ってみたい。モデルに待ってくれないか?」と言われた時はとても驚いた。その時先生は、まだ僕がマゾで女王様と暮らしていることなど知らない。でも僕の体からはマゾのサインが出ていたのかもしれない。


それから、僕が縛られたことをアヤ様に話すと、アヤ様は直ぐに先生の仕事場にやってきて、その場で正式に弟子にしてもらいたいと直訴した。彼女は僕を縛って、天井から吊るしたかったのだろう。


彼女はそれから家で何度も僕を縛る練習をし、先生から緊縛師として認められ、吊ることを許されるのに半年もかかった。僕も縛られることに慣れ、縛られる快感で陶酔してしまう身体になっていった。


その後、アヤ様が僕を縛り逆さ吊りにした画像が写真集になって発売された。美しい女王様にアイドルのような可愛い男の娘が縛られる画像が評判になり、僕は再びメディアに登場することになった。でも、読者は僕たちが夫婦で、普段は飼い主と奴隷の生活をしていることは知らない。


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