体得
あらいぐまさん
第1話 体得
学びが生きるために必要な、学びの最終形態である、体得するとは何か?
それを、体得すると、どうなるのか?
体得とは、簡単に言うと、体得したいものを、知るという、学びから始まる。
やがて、学びで得た知識を元に、行動に移しながら、良し悪しを考えて、修正を、重ねて、そのやり方を身に着ける。そして、それを、考えないでも出来るようになるまで突き詰める。
これを、体得という、そこまで来たら、考えなくても出来るのだから、やり方という考えを捨てる。考えを捨てたら、別の新しい考えを、取り入れ、再び学び始めるという……。
東洋の考え方に、徳というものがある。
それは、人生の頂点にあり、目指すものだとされている。
ある学者が、徳の器は、サイズも形も、似たり寄ったりで、生まれた時に、既に決まっていて、それは、一生を通じて、変わることがないという……。
そんな馬鹿な、世の中には、徳の高い人間がいるじゃないか……。
でも、その学者のいう事には、徳の器の中には、色々なものがあって、徳で無い物も沢山詰まっているそうだ。そこで、徳以外の器の中身を捨てる事によって、空いたスペースに、新たな徳らしきものを入れて、徳の総量を増やす事で、徳を高める事が出来るのだと、……。
私は、知識を学んで体得するには、地道な努力を積み重ね続ける事と、考えなくても体が自然に動くという確信である、得心することが、体得する為には重要だと考えている。
得心する為には、どのくらい勉強や努力したら、得られるのかは、モノによって、差があって、中々、計画が立てられない。自分でも、分からないのに、他人がわかる筈がない……。
でも、取り組み続けていれば、いつか得心して、体得することになる。そこで、今までの考えを捨てて、新しい考えを取り入れる。
成功体験を捨てるというのは中々出来ないものだが、その事の繰り返しに、飽きない事が大切だと思っている。
すると、偏りの少ない、かなり汎用的な人間ができる。
それは、体得しているから、理論に頼る、頭でっかちな人間にならない、つまり、目先の損得に縛られず、粛々と行動するので、誘惑に負けない、実践者になるだろう……。
確かに、それは、別に、頭が良い悪いのという事とは、全く別の話で、私にとって、考えなくても、自然に、そうするのが、当たり前のことなのである……。
これが、良く当たるので、私は、皆から、要領のいい頭がいい奴だと思われている。
そんな風になるには、長い年月をかけて、学ぶ勉強と実地を繰り返す、両方の努力が必要なのである。
論語に、「かの人は、言わず、言えば必ず当たりあり」という言葉がある。実践の難しさを知っているから、最終的には、そういう人間になっていくのである。
体得 あらいぐまさん @yokocyan-26
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