第2話 古~いランクル
写真仲間の一人、吉チャンさんが古い古い昭和40年代のランドクルーザーを、フルレストアしました。
駐車場に放置したままで、廃車にせず税金だけ払っていたが、確実に10年以上乗ってなかったと思う、とのことでしたね。
吉チャンさんはランクルのフルレストア前には、TE47型のトレノをフルレストアして乗っていたこともあったので、中々の旧車好きさんです。
せっかくフルレストアして、ランクルが走るようになったのだから、このランクルで1度だけでいいから、山の撮影旅行に行きたいと言うのですよ。
今回だけとの条件で仕方なく了解し、予定変更して吉チャンさんのランクルとF1さんのハイエースの2台で、出かけることにしました。
ところがこのランクルは幌仕様で、左右のドアが無くて横棒1本だけ、ドアのカギなんて当然ない、とってもシンプル?な状態でした。
車内と車外を隔てるのは鉄の横棒1本だけ、これで高速道路を走ろうって言うのだから、ちょっと怖いものがあります。
挙句の果てに中央高速道路を走行中に、みぞれ混じりの雨まで降ってきちゃって、寒いのなんのって。
横を大型車が走ると、タイヤが巻き上げる水しぶきが、身体に直接かかるんだから参りました。
吉チャンさんがサービスエリアで、慌てて簡易ドアを取り付けましたよ。
皆「あー、カゼひかなくてよかった!初めから簡易ドアを付けろよっ!」て大笑いしましたっけ。
久しぶりのマニュアル車でクラッチを踏むのも疲れたとのことで、吉チャンさんからランクルの運転を替わってくれと頼んできます。
仕方が無いので、皆で休憩ごとに順番で交代をしながら、目的地の乗鞍の民宿まで走りましたよ。
今時の乗用車とは、スイッチ類の操作方法が全然違う。
パワステなんて付いて無いからハンドルは重たい。
クラッチは踏みにくい。
車体はギャップでポンポン跳ねるし、直進安定性なんて全くない。
当然、カーナビもカーステレオも無くて、AMラジオだけ。
後ろからハイエースで付いて行くと、ランクルがエンジンブレーキを掛けたときには、ガソリンの生ガスがそのまま排気管から出てくるらしい。
だから、後ろに付くと、ガソリン臭くてたまらないなど、色々とありましたね。
6気筒キャブレター仕様のF型ガソリンエンジンは、フルレストアで吹け上りも良くて中々快調。
たぶんですが、キャブレターのセッティングは、吉チャンさんが自分でされたのだろうと思います。
昔はその道のプロだったらしい人ですので・・・
無事に走り切れましたが、こんなに車の運転で苦労したのは久しぶりでしたよ。
つくづく今の車は運転が楽だと痛感しました。
この話のフルバージョンとなる、素人カメラマン仲間達との撮影旅行よもやま話集
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