第3話 よう戻らんそうなので迎えに来て
このお話は、まだ携帯電話が余り普及していなかった頃の旅行話です。
和歌山県の太地に「鯨のフルコースを食べさせてくれる宿がある」と聞きつけたので、早速写真仲間達に「鯨食べに行かない?」と提案してみました。
「いいね~久しく鯨は食べてないね」
「熊野三山詣でもしたいね」
「串本の橋杭岩も観たいね」
「那智の海岸線も綺麗だってよ」
「南紀は陸の孤島って言われているから、行くには時間はかかるよ、大丈夫?」
など様々な意見が出たことを考慮して旅行計画をして、鯨が食べられる宿を予約。
F1さんにはマイクロバスの予約と、またまた運転のお願いをしました。
那智大社近くにある熊野古道の、苔生す古い石階段の散策することになり、集合時間を決めて解散したのですが、集合時間になっても、6人ばかりが帰って来ない。
当時はまだ世界遺産の認定もされていなかったので、散策者も少なく古い石段には苔がびっしりと付いていましたから、とても滑りやすい状態でした。
雨上がりと苔で、熊野古道の古い石階段はさらに滑りやすく、歩くのもヒヤヒヤの状態でした。
大多数の写真仲間達はそれほど遠くまでは行かなかったのに、とても元気な(無謀な?)6人は集合時間を忘れて、熊野古道の終点となる那智大社まで登って行ってしまいました。
そして、足元が悪いので、怖くて帰ってくることが出来ない。
かわいそうに、一番若い大発さんが一人、ツルツル滑る階段を必死で戻ってきて、「那智大社まで行っちゃって、皆さんよう戻らんそうなので迎えに来て」だって。
仕方がないので、マイクロバスで那智大社まで迎えに行きました。
車道を走ってみれば、アッという間の距離でしたね。
誰も車道を歩いて降りて戻ってこようとは、考えなかったとのことでした。
ま~結局、そのままマイクロバスを那智大社の駐車場に入れて、全員そろって那智大社の参拝をしたのですから、結果オーライです。
宿での夕食は「鯨のフルコース」、小生も鯨を食べたのは鯨オーロラ煮程度でしたから、楽しい食体験となりました。
翌日の早朝は、日の出1時間半前の早起きが出来た人だけで「橋杭岩の日の出」を写しに行きました。
小生は早起き出来ずに橋杭岩に行けなかった人達を数名引き連れて、太地の海岸で黎明~日の出の写真を写しましたが、中々に雰囲気の良い写真が撮れましたよ。
帰りには、本宮大社・速玉大社にも参拝して、昼食には和歌山県の郷土料理だという「さんま寿司」「めはり寿司」を買って海岸に出て、太平洋を眺めながら「さんま寿司」「めはり寿司」を食べて、帰途につきました。
この話のフルバージョンとなる、素人カメラマン仲間達との撮影旅行よもやま話集
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