第5章 ごめんね 第2話 種明かし

 斗真と茜が男と女の関係になるのはそう遅くはなかった。

 そして同時期に次々と茜の周りで異変が起こり始めた。茜の研究資料が盗まれてはライバル達に准教授のイスを先に越されていった。

 それでも茜は次から次へと研究を重ねて行くがその側から研究を盗まれて行った。そんな無謀な日々にとうとう体調を崩し部屋に閉じこもるようになった。


 「なんか食べなきゃ駄目だよ。」


 斗真は、心配して毎日泊りがけで茜の看病をしていた。


 「大丈夫よ。ちょっと疲れが溜まっただけ。」


 斗真の優しさに何故か意地を張っている茜であった。

 しかし意地さえも張れないほど心は病んでいき・・・


 「斗真。もうこれ以上研究は無理かもしれない。精神的に疲れてしまったわ。」


 茜はライバル達を追い越そうと闘病生活の中でも研究に励んだが、これ以上研究を続ければ命の危機を感じたのだ。


 「・・・ようやく止めるか!?」


 斗真の投げ捨てた言い方に耳を疑った。


 「研究資料を盗んだ奴、誰れかわかるか?」


 茜はその言葉で斗真に騙された事に気づいた。


 「毎食後の飲み薬に毒を入れているのも俺だよ!!お前の研究資料を妬んだライバル達に金で雇われたんだよ。ここまで言えば解るだろ。研究資料を盗んだ奴も俺だよ。」


 茜は怒りと悲しみと斗真の仕込んだ毒で精神的に完全に病んでしまった。


 


  

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る