第4章 未来の僕 第1話 パパ大好き

街中を仲良く手を繋いて歩いている親子がいた。


 「パパ。ママは何処に行っちゃったの?」


 いつも未知留は母の不在の原因を聞く。


 「ママはもうパパを嫌いになっちゃったから、パパと未知留の所には帰ってこないんだよ。」


 未知留の父親である和都が悲しそうに言う。


 未知留は更に和都に聞いて来る。


 「どうしてもママは帰らないの?」 


 「ママは別のパパの元へ行っちゃったんだよ。」


 和都はこの言葉を口にする事が苦しかった。

 離婚して3ヶ月、未知留も和都も母の居ない生活に未だに慣れないのである。


 「ママはもう会えないんだよ。」


 そう和都が悲しげに言うとまだ幼い未知留が泣き始めた。いつものことである。


 「パパとママはいつも一緒じゃなきゃ嫌だ。」

 

 和都は泣いている未知留に1枚の写真を渡した。


 「あっ!!ママと僕達が写ってる!?」


 未知留は喜んで並木道をかけて行った。


 和都は1枚の思い出の写真で未知留の気を紛らわしていた。


 (ごめんな未知留。パパがいけないんだ・・・許してくれ。)

  

 未知留が掛けてく姿に和都は涙を浮かべていた。

 




 

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