第1章 媚薬の少女 第2話 復活

 優子は自宅に戻り老婆から貰った巾着袋を眺めていた。


 (雅之さんに使ってみよう。)

 

 雅之とは優子に別れ話をした20歳年上の占い師だ。


 翌日、雅之の働いている占いの館を訪ねた。


 「優子。なにしに来たんだ。もう俺たちは終わったはずだ。」


 雅之は優子に嫌気が刺してるらしく冷たくあしらった。


 優子は怒りを覚えたが、


 「ちょっと話が出来ないかしら。」


 そう言うと優子は占いの館の1室歩いて行った。その後を追うように渋々雅之が歩いて行った。


 ふたりが部屋につくと、


 「コレが何か知ってる?」


 優子は袋からカプセルを出して口の中へ入れた。


 「このカプセルが体の中で溶けたら、貴方は私に連れない事なんて言えなくなるわよ!!」


 雅之は現状が把握出来ない。


しかし優子の体の中でカプセルは溶け出した。すると優子の体が別の女性に変化した。


 「麻美・・・。」


 雅之は驚いた。優子の体が死に別れた麻美の体に変わったのだ。

 

 「麻美。生きていたのか!優子・・・お前、ホントは麻美だったのか?」


 雅之は涙を流しながら麻美に変化した優子を抱きしめた。


 (麻美?・・・そうか、この薬は相手がもっとも愛している女性に変化するのね。)


 「麻美って誰?私は優子よ。」


 そう麻美に変化した優子が言うが、雅之は信じない。


 (しょうがないわ。暫くは麻美って女を演じよう。)


 雅之と麻美・・・優子の恋愛模様が再び始まった。


 

 

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