実家の禁忌

皆さんのご実家はってありますか?


禁忌とは、慣習や習俗として「やってはいけないこと」ですね。

ここでは祟りや障りが起こるので禁止されてるものを指します。


うちの実家は家系図によると元禄時代から続いているらしく、古くからの家あるあるなのかはわかりませんが、そうゆうのがいくつかあります。


そのうちのひとつが、

うりをつくってはいけない」。


もらうのはオッケーなんですよ。

実際、ご近所さんからお裾分けしてもらったユウガオのお味噌汁や糸瓜の漬け物が食卓に出たりしていたので。


で、具体的にどんな祟りが起こるのかというと、目が潰れるのだという。


この話を聞いたのは小学生の時でした。


わたし、母が作る糸瓜のサラダが大好きで。

その日、畑仕事をしていた祖母にくっついていた私は、「糸瓜、つくらないの?」と祖母になんとなく聞いたんです。


すると祖母は、「おらは瓜、駄目なんだで」と。

目がつぶれるからと。


実際、敷地内に瓜がった年があったそうで、その時に私の伯父(父の兄)が片目を失明しかけたそうです。野球をしているときに、ボールが目にあたって。

失明まではしなかったそうですが、そのせいで伯父は、父の兄弟の中で唯一、眼鏡をかけています。


「夜に口笛を吹くと泥棒がくる」とか「靴下を履いたまま寝ると親の死に目に会えない」だとか、そうゆうただ縁起が悪いという話かと思いきや、具体的な被害エピソードが出てきてびっくりしました。


共同体が協力して生活するためにあえて物々交換を促すための風習とかいう民俗学的考察ができがちですが、

物理的に厄災が発動する禁忌もあるので、昔からやるなと言われていることはやらないほうが本当にいいですよ!


ちなみになぜかきゅうりはオッケーです(瓜科なのに)。

夏に実家に行くと山ほどきゅうりをかじれます。


風が吹けば桶屋が儲かるじゃないですが、怪異のこうゆう理屈が通じないかんじがいっそうに怖い気がします。

「瓜を作る」ことと「目がつぶれる」ことって何の脈絡もないし……。


それに、何でよりによって、(当時)子供の叔父さんに障りが……って思います。

祖母が祟りにあった時にお祓いをしてくれた檀那寺(檀家になっているお寺さんのことです)のお坊さんが、こういった障りは一番弱いところに行くって言っていました。

子供への配慮とかない、容赦ない感じも、いかにも人知の及ばぬ怪異って感じがします。


その、祖母が祟りにあった話は、また次回にでもしますね。

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