神様の眷族を見た話
第一話目は、不思議体験でも書いてみようかと思います。
怖くないので、怖い話が苦手な方でも大丈夫ですよ〜!
小学生の頃の出来事です。
私のうまれは新潟県で、実家は山ぞいの集落にあります。
冬になると雪で埋もれてしまう、けっこうびっくりするほど田舎なところです。
周辺にお店もないので、いつも日用品や食料品は週末に車で市内にまで行って購入するのですが、その日も、いつものように父の運転で市内に買い物に行ったんですね。
で、市内に向かう道中なんですが、
道路に面したところに神社があって、玉垣が見えるんですよ。
助手席に乗っていた私はぼうっと車窓を眺めていたのですが、その玉垣の向こう――境内を、真っ白な猫がのしのし歩いているのが見えたんです。
しかもその猫、なんと大型犬くらいあって。
子供心に「セントバーナードくらいあるなー」と思ったのを覚えています。
とにかく仰天のデカさだったんですが、当時はなぜか特に驚きもせず。
運転席の父に「ねえねえ、あれ――」と言った頃にはもう神社は通り過ぎていました(車なので)。
その時は「まあいいや」と思ったんですけど。
でもやっぱり「あんな大きい猫いないよね? なんだったんだろ?」と時々思い返したりもしたのですが、結局、「ま、いっか」となって、特に誰にも言いませんでした。
ちなみに、見間違えかもとはまったく思いませんでした。まばたきをしたら消えるとかじゃなく、通り過ぎる間はずっと目で追えるほどはっきりと見えていたし、ちゃんと角度が変われば見え方も変わる三次元的存在だったので。
そして時は流れ、一昨年の秋。
コロナ禍の移動制限も解除されて、久々に実家に帰省したんです。
わたし、三姉妹の長女でして、帰省するたびに姉妹三人で朝まで喋りながら飲み明かすというのをやっていて。
子供ができてからはさすがに朝までは飲まなくなりましたが、この時も子供らを早々に寝かして日が変わるくらいまで飲みながらしゃべっていたんですね。
同じ関東在住の下の妹とはコロナ禍でもたまに会ったりしていたんですが、地元に残った上の妹とは三年ぶりで。
もう、話が尽きませんでした!(毎年会ってても不思議と尽きないんですけどね……)
その時に、唐突にこの神社のデカい白猫のことを思い出して、その話をしたんです。
そしたら下の妹がものすごく驚いて、「わたしも見たことある。その神社で」って言い出したんですよ。
「えええー‼︎」ってなりましたよね。
ちなみに地元に残った上の妹は見たことはないそうです。
実際そんな生物がいるわけもないので、神社に祀られてる神様のお使いだったんじゃないかな、と勝手に思ってます。白かったし……。
祖父が長年神社の管理をしていたので(その神社でなく、うちの近くの小さい神社です)、その繋がりで孫のうちらにお姿を見せてくださったのかなと。
祖父は神職ではないのですが、地元の神社の管理をしていました。今思えば、氏子の総代のような立場だったのかな。
それもあって、お正月の三が日は、家族総出で二年参りや初詣のお賽銭をこたつで数えるのが仕事でした。
懐かしい……。
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