第4話 新たな出会い
太郎とリリーが白い馬の治療を終えた瞬間、周りにいた犬のようなもふもふ動物たちが近づいてきた。
一匹のもふもふ動物が太郎の前に出て、深々と頭を下げた。
「ありがとうございます。我らの聖獣様を助けてくださり、本当に感謝します。」
太郎は驚きのあまり、しばし言葉を失ったが、すぐに微笑んで答えた。
「聖獣様?この馬のことですか?」
もふもふ動物はうなずいた。
「はい。この聖獣様は私たちの村の守護者です。あなたの助けがなければ、この命は失われていたかもしれません。」
周りのもふもふ動物たちも警戒を解き、次々と太郎とリリーに近づいてきた。リリーはその姿に微笑みながら太郎に囁いた。
「太郎さん、彼らは私たちを信頼してくれたみたいですね。」
「そうだね、リリー。僕たちが助けたことが伝わったんだ。」
もふもふ動物たちは太郎とリリーを囲むようにして、まるで歓迎するかのように優しく触れ合ってきた。突然、先ほどのもふもふ動物が提案した。
「もしよろしければ、我々の隠れ里へお越しください。感謝の意を表したいのです。」
太郎とリリーはもふもふ動物たちの案内に従い、森の奥深くへと進んでいった。
やがて、木々の間から小さな集落が見えてきた。そこは、もふもふ動物たちの隠れ里だった。
「すごい…ここが君たちの里なんだね。」太郎は感嘆の声を上げた。
「はい、こちらが私たちの住処です。さあ、長老の元へ案内いたします。」
もふもふ動物たちは太郎とリリーを里の中心にある大きな木の家へと導いた。
中に入ると、そこには威厳のある老犬のようなもふもふ動物が座っていた。
「長老様、聖獣様を助けてくださった方々です。」
長老はゆっくりと頭を上げ、太郎とリリーを見つめた。
「おぉ、あなた方が。聖獣を助けていただき、心より感謝いたします。」
太郎は礼儀正しく頭を下げた。
「私たちも困っている命を助けたかっただけです。聖獣様が無事で良かった。」
長老は微笑みながら言った。
「あなた方の善意に応え、今夜は感謝のお祭りを開かせていただきます。良ければご覧になって下さい。」
太郎とリリーは里のもふもふ動物たちと共にお祭りの準備を手伝い、日が落ちる頃には里全体が賑やかな雰囲気に包まれていた。
色とりどりの飾り付けとともに、焚き火が焚かれ、音楽と笑い声が響き渡った。
「太郎さん、見てください!こんなに美しいお祭りは初めてです!」
「本当に、リリー。彼らの感謝の気持ちが伝わってくるね。」
太郎はもふもふ動物たちと一緒に踊り、笑い、楽しい時間を過ごした。
長老が近づいてきて、太郎に話しかけた。
「太郎殿、この里での滞在を楽しんでいただけたようで嬉しいです。これからも、何かあれば我々に頼ってください。」
「ありがとう、長老様。あなた方の温かい歓迎に感謝します。」
夜が更ける頃、太郎とリリーはもふもふ動物たちと共に焚き火を囲み、静かな夜空を見上げた。星が輝く空の下で。
「これからも、僕たちはこの森の仲間として、お互いに助け合って行きたいな。」
太郎の言葉に、リリーも微笑みながら頷いた。
「そうですね、太郎さん。これからも一緒に頑張りましょう。」
こうして、太郎とリリーは新たなもふもふ動物たちとの出会いを通じて、さらに深い絆を築いていくのだった。
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