1章新しい生活の始まり

第1話 第一歩

リリーと太郎が村を歩き始める。もふもふした動物と村人達は楽しげに会話をしたり、仕事に励んでいる。


「動物が喋ってる...」


「もふもふ動物は喋りますよ?」


「そうなのですね。私の国では言葉を動物はいないので。」


「そうなのですか!? 変わった国なのですね。もふもふ差別はダメですよ?」


こちらに気づくと村人たちは皆、親しげに挨拶を交わしてきた。


「おや、リリー。今日は知らない顔の人と一緒だね?」


「はい、こちらは太郎さんです。これから村でお世話になる予定です!」


「それは心強いね!よろしく頼むよ、太郎さん。」


「こちらこそ、よろしくお願いします。」


太郎は村人たちの温かい歓迎に驚きつつも、徐々に心がほぐれていくのを感じた。


「この村は人達は本当に穏やかでいいところだね。」


「そうでしょう?皆が協力し合って、自然と共に暮らしています。もふもふ牧場も、村の大切な一部なんですよ。」



リリーと太郎が牧場に着くと、そこには様々な種類のもふもふ動物たちがいた。太郎の目は輝き、心が躍った。


「すごい…こんなに可愛らしい動物たちがいるなんて。」


「こちらがクラウス、牧場のリーダー兼群れのボスです。」


リリーが紹介すると、知的な目をした大きなもふもふ動物が近づいてきた。クラウスは落ち着いた声で太郎に挨拶をした。


「初めまして、太郎さん。あなたのような人に出会えて嬉しいです。」


「こちらこそ、よろしくお願いします。あなたがリーダーなんですね。」


「そうです。そうです。もふもふ動物たちの世話をして、牧場を管理して群れの中で生活してます。太郎さんもぜひ一緒に働いてください。」


遠くから小さなウサギのような姿をしたもふもふな動物がぴょんぴょんと跳ねて近づいてきた。


「こんにちは、太郎さん!私、コロネです。よろしくね!」


「こんにちは、コロネ。僕は太郎だ。君はとても元気だね。」


さらに、緑色の毛を持つ小さな鹿、ミントが優雅に歩み寄ってきた。


「初めまして、太郎さん。私はミント。薬草のことなら何でも聞いてくださいね。」


「ありがとう、ミント。僕は太郎。君の知識が役立ちそうだ。」


最後に、丸くて大きな体を持つもふもふ動物がのんびりと近づいてきた。


「どうも、太郎さん。僕はパンプ。よろしく。」


「僕は太郎。パンプ、君もよろしくね。」



リリーは太郎に牧場の歴史や動物たちの習慣について説明し始めた。


「もふもふ牧場は、何世代にもわたって村の中心となってきました。動物たちは皆、私たちの家族同然です。彼らはとても賢く、人々を助ける力を持っています。しかし、人種族のお医者さんはいても、もふもふ動物達のお医者さんは居ないんです。良ければなのですが...ここで働いてはくれませんか?」


「そうなんだ。僕もできるだけ彼らを助けて、この村の手伝いになりたい。こちらこそこのもふもふ牧場で働かせてはくれませんか?」


リリーは満面の笑みになった。


「はい!よろしくお願いします!」


クラウスやコロネ、ミント、パンプもぴょんぴょん飛び跳ねて「やったー!」と喜んでいる。


「これからの生活が楽しみですね!まずは動物たちとの信頼関係を築くことから頑張ってくださいね?私も顔を出しますから!」


太郎はリリーの言葉に頷き、新しい生活に向けての意気込みを新たにした。もふもふ牧場での生活が、これからどのように展開していくのか、彼の心は期待と希望に満ちていた。

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