第7話 恐怖の引っ越し
私はフオン(女性36才)と申します。
ベトナム・ホーチミン市の東にあるドンナイ省に住んでいます。
私は大学一年生で、学業を続けるためにホーチミン市に大学を選びました。
両親は年を取っているので、私は一人でホーチミンに行くことを決め、自分で住む場所を探し、安定した学生生活をすることにしました。
行く前に、母は私にアパートを借りる際の規則や引っ越し前にお供えをすることなどについて書かれた紙を渡してくれました。
私は基本的に霊的なことにはあまり信じていないので、迷信はあまり気にしませんでした。
ホーチミンに到着して、一生懸命アパートを探しました。
その結果、私は非常に安い価格で部屋を見つけました。
しかし奇妙なことに、新しく修理された綺麗なこのアパートは、私以外誰も内見に来なかったらしいです。
家賃が安い綺麗な物件ですからこの好機を逃すわけにはいかないと思い、すぐにお金を支払い、母の忠告を忘れてすぐに引っ越しました。
私は部屋の掃除をして荷物を移動し、休息のためにシャワーを浴びに行きました。
しかしシャワーを浴びている最中に、「コッコッコッ」というドアのノックの音が聞こえました。
私は声をかけてみましたが、返事はありませんでした。
しばらくしてまた「コッコッコッ」という3回のノックの音が聞こえましたが、今度は気にせずに無視しました。
新しく引っ越してきたので、誰かにからかわれているだけだと思ったからです。
その夜、私は疲れもあり深く眠り、一度も驚かされることなく熟睡しました。
翌日の正午12時までぐっすり眠り続けました。
最初の2週間は、すべてが順調でしたが、いくつか奇妙なことが起こりました。
例えば、家主が私にとても関心を持ち、私が普通に眠れるかどうかを尋ねることがありました。
特に何もなかったので質問には「毎晩、普通に眠れてますが、何か問題があるのでしょうか?」と答えました。
しかし今日になって初めて、なぜ家主がそう尋ねていたのかがわかりました。
その夜、眠りに落ちている間、私の耳に突然「なんで私の場所を占拠しているんだ?」という声が聞こえました。
最初私は夢を見ていると思いましたが、なんと私の体にかけられた毛布はまるで奇妙な力に引っ張られて地面に引きずり落とされました。
私は元々臆病な方ではありませんが、このような状況に遭遇して恐怖感に襲われました。
私は毛布を拾い上げようとして足を下ろしたとき、何かが私の足の横を擦り抜け、ベッドの下から見えない手のようなものが私の足首を掴んでいるのを感じました。
恐怖に駆られて足を引っ込めてベッドに飛び乗り、毛布をしっかりと巻きつけて、瞬時に「阿弥陀仏」と念仏を唱え始めました。
怖くて疲れたので、私は壁の角にもたれかかって座った姿勢のまま眠りました。
夢の中で、私は知らないおばさんが現れるのを見ました。
そのおばさんはとても恐ろしい顔をして、私の髪をつかみながら「私の家を返せ!許可もらってから私の家に入ったのか?」と叫び続けました。
最後に、彼女は私の首を絞め、私は息苦しくなり目が覚めました。
私は何が起こっているのかわからず、混乱したまま朝を待ちました。
顔を洗って冷静になり、明日の朝まで待って母に電話しようと決意しました。
顔を洗うとき鏡を見ると首に赤い傷があり、夢の中で首を絞められた場所と同じ位置にあることに気づき、本当にぞっとしました。
やっと朝日が差し込み、急いで母に電話して起こったことを話しました。
母は私が霊の許可を得ずに入ったため、時々嫌がられるかもしれないと言いました。
私はすぐに供え物を買いに行って儀式を行いましたが、ろうそくを灯した瞬間、それは瞬時に消えました。
何度も点火しても同じでした。
それに続いて、台の上から香炉が落ちて、壊れました。
この混乱の中、私は恐怖で飛び出して助けを求めるためにドアの方に向かいましたが、ドアは全く開かず私がいくら叫んでも誰も返事してくれませんでした。
急いで電話を取った時に、どこからか読経が聞こえ、部屋の明かりが点滅して、またトイレの方から水を流す音が聞こえました。
私は気絶しそうなほどショックを受け、地面に倒れ込むと耳元で誰かが囁いた
「この家に誰も平穏に過ごすことを許させない。賢明ならさっさと家を出るんだ」と。
母は私からそのことを聞くとすぐに、故郷からホーチミンに駆けつけ、別の場所に引っ越しのを手伝ってくれました。
この部屋は間違いなく呪われていると言っていました。
私は家主に会いに行きすべての事を話しました。
家主にこのように霊現象が起こるから、すぐに引っ越しするために敷金を返してもらうよう要求しました。
すると、意外にも家主も心から謝罪し、母と私にその女性の話を詳しく話しました。
彼女はかつて悪い男にお金を騙され、その後自殺したらしいです。
そのため、その部屋に引っ越してきた人々はみんな嫌がらせを受けるようになったのです。
私と母は話を聞いた後、静かに片付け、そのアパートを出ました。
それ以来、私は家を借りる前には十分に調査し、入居前には必ず許可を得るようにしました。
今では母の助言を信じて、同じような問題が再び起こらないようにすることを心掛けています。
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