第6話 年増女の呪い

私はトアンとタンという双子の男の子を持つ母親のチャン(女性56才)と申します。


ベトナム中部のダクラク省に住んでいます。


この話は私が45才の時に起こった怖い話です。


すべてが終わった今でも、かわいそうな息子に起こったことが頭から離れません。


息子たちは2人ともとてもイケメンで才能があり、安定した仕事に就ていたので周りの女の子たちからも注目の的でした。


その日、トアンが帰宅して「今日友達とコーヒーを飲みに行ったら、とても奇妙な40代の女性がいたよ」と言いました。

どうやら彼女はずっと息子を見て笑いかけ、その不気味な笑顔に鳥肌が立ったそうです。


私はその話を聞き流しました。

何も考えないで、そのまま毎日が過ぎていきました。


数か月後、トアンが見るからに年老いた、肌の汚い、何の長所もない女性を家に連れて来て、恋人と紹介し「この人と結婚したい」と言ったのです。


この突然の訪問と紹介に、私はあまりのショックで固まってしまいました。


どんな若い子でも手に入れられるのに、よりによってこんな醜い女なんて。


私の家族は必死になってこの女との交際を阻止しました。

調べてみると、この女性の名前はリンといい今年で45歳になり、何年か前に離婚したそうです。


なぜかトアンは彼女を熱愛し、彼女の家族とけんかしてまで一緒に逃げ出しましたらしいです。


どうやら息子は彼女から離れられないようです。

私が電話で直接彼女に尋ねると、彼女はすぐに電話を切ってしまいます。


トアンは会社を辞め、彼女の家に隠れるようになりました。

その町の人々は、2人が狂ったように毎晩愛し合っていると言います。


彼女の家からは、彼女の喘ぎ声が毎晩聞こえますとのこと。


私は姉に紹介された高明な占い師に会うことに決めました。


占い師の家に到着した途端、私が姉の後ろに立っていたのに、その占い師が突然立ち上がり、私の顔を指差して、「あなたは生命力が枯渇しつつあります。もうしばらくすれば、精神が狂い始め、すぐに狂人になってしまいます」と言いました。


この言葉に私は驚いてひざまずき、「お願いですから、詳しく説明して下さい」と頼みました。


占い師は、近くの卵を手に取り、魔法の水の入った器の周りを撫で、そしてその中に卵を割るよう指示しました。


私が卵を割って中を見ると、黒ずんだ血の塊と、強烈な臭いがする恐ろしいものでした。


占い師は、私の家の一人の男の人に「月経血を使った愛の呪いがかけられている」と言います。


具体的には、その女性の生理用ナプキンから採取された月経血を日光にさらし乾燥し、その後、植物から作られた護符と混合します。


それを自分か望む相手に食べさせると、その人は愛情を抱き、従うようになるとのことです。


私は本当にショックを受けて、泣きながら助けを求めるしかありませんでした。


占い師はこの呪いが非常に巧妙であり「当事者である息子を連れてこないと解除できない」と言いましたが、現在では彼女が息子から一歩も動かないため、私は家に帰って解決策を考えるしかありませんでした。


私は土地があるのでトアンに電話して、家族が財産を分けるために彼を家に帰る必要があることを伝えることに決めました。


予想どおり、リンは私の息子を帰宅させることを許可しましたが、彼女は彼にお札を渡して「決して身から離さないで捨ててはいけない」と警告し、最大3日間しか滞在を許可しませんでした。


そうしないと、彼女は息子の長期間の不在によって気が狂うのでしょう。


トアンが帰宅すると、私はもはや自分の息子とは思えませんでした。

彼は魂を失ったようで、ただ肉体だけが残っているようでした。


私はすぐにトアンを部屋に連れて行き、呪いを解く儀式のために師を招待しました。


儀式が始まり最初はトアンは叫び、罵倒し、リンの家に戻ることを要求しました。


彼は財産や他の何もかもには興味がありませんでした。

ただリンの家に戻りたいだけでした。


トアンは狂ったように暴れて物を壊しました。

占い師が聖水をトアンにかけ、呪文を唱え始めると、彼は苦痛を感じ、ひざまずいて許しを請い再度リンの元に戻りたいと懇願しました。


彼は彼女を愛しているから、彼女なしでは生きられないからです。

突然、トアンは咳き込み、吐き気を催します。

私は彼の胸を数回たたいたところ、彼は赤い糸で結ばれた髪の毛を吐き出して気絶しました。


あの日以来、我が家にいるトアンはもはや騒がしくはありませんが、食べたり飲んだりせず、ただひたすら寝たり、さらには自殺の兆候があります。


口ずさみながらリンの名前を繰り返します。


占い師が「彼女が強力な呪文を使って息子を引き戻すために、依然として呪文を唱えていると」言ったため、私は無力感に襲われました。


もう我慢できなくなり、ほかの人を連れて彼女の家に直談判に向かいました。


そこでドアを蹴り開けると、恐ろしい光景が広がっていました。


彼女は20歳くらいの学生とセックスしており、彼もまた私の息子と同じような状態でした。


怒りに駆られて、私たちは彼女を殴りました。


彼女は吐血し、地面でうずくまっていました。

私は彼女に息子に近づかないように誓わせ、なんとか彼女は同意しました。


その日の後、私のトアンは徐々に意識に戻っていきましたが、彼の目には常に陰りが見えます。


村の人々によると、トアンの後にも彼女はいくつかの若い男性を連れてきて、彼女の世話をさせていたと言われています。


しかし、わずか1年後、彼女は末期がんであることが発覚し、毎日吐血し、誰も彼女を助けることなく、同情されることなく、孤独に生きることになりました。


その理由は、彼女が行った悪事のために誰も彼女を助けようとしないからです。


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