第5話 イェンさんに憑いた霊
私の名前はリン(女性25才)です。Krベトナム中部、ダクラク省のクロンボンという街に住んでいます。
この怖い話は私が16才の時に体験した実話です。
その日、私は学校から帰り昼の12時頃に家に着きました。
近所の家に大勢の人が集まっているのが見えたので、何が起こっているのか興味津々で駆け寄りました。
すると知り合いのイェンさん(女性19才)が庭の真ん中で目を大きく見開いて叫びながら横たわっているのが見えました。
まるで別人でした。
しかも女性にもかかわらず、手と足が縛られています。
母親は彼女の隣に座って、「うちの子、一体どうしたの?」と大声で叫びました。
周りの人は「たぶん悪い霊に取り憑かれている。午後の暑い日差しの中、家から叫びながら野原に飛び出してきた」と大声でささやいていた。
皆が心配そうに顔を見合わせた。
イェンさんは今年は19歳になる美女です。
彼女は横になって疲れるまで叫び、その後眠りに落ち、目が覚めたときには何も覚えていなかったそうです。
イェンさんの家族が平常時の彼女を寺に連れて行き、仏様に礼をしたり、参拝したりしました。
住職は「彼女に憑依した男は前世でこの人に深い憎しみを抱いていた男なので、それを取り除くのは非常に難しい」と語りました。
だから今度は彼女に復讐するために追いかけてきたらしいです。
「前世の因果により彼女は今世では平穏な生活は送れないかもしれない」とも言いました。
これを聞いてから、母親は大きい声で泣きながら「問題の解決方法を教えてほしい」と懇願しました。
住職は「それぞれの運命に応じて、起こった事ですから解決は難しいです。出来る事は毎日菜食をしたり、お祈りしたりしてください。特に、動物を解放するようにしてください」と根本的な解決が難しい事を告げた。
しかしその後、状況はますます悪化しました。
彼女は日中だけでなく夜も見境なく大声で叫ぶようになりました。
夜に体内に幽霊が入ってくると眠れなくなるみたいです。
それから彼女は墓地に行き、半狂乱で外を徘徊しました。
時々、彼女はお寺の前に来て横になりました。
食べたり飲んだりしないので、彼女の体はみるみるうちに痩せこけていきました。
信じられないですが顔の色が緑になりました。
表情もとても怖いです。
ですから私は彼女に会うとすぐに逃げました。
ある日、彼女が森の木の葉を食べて食中毒になり、家族は病院に連れて行かなければならない事態が起こりました。
このような異常事態が続きイェンさんの両親は悲しみのあまり、話すこともできなかった。
周りの人はみんな、彼女が学校に行けるのか、また学校に行かなくても仕事をして結婚して子供を住む普通の生活が送れのか心配しました。
イェンさんの異常事態を知っている人は、誰でも彼女を見ると心配で辛い気持ちになりました。
昔の元気で朗らかだった彼女を知っているからなおの事です。
長い期間、人間でもない幽霊でもない辛い人生を送りました。
時々、誰かが彼女の両親を探しては「川岸で彼女を見た」「墓地で彼女を見た」「ジャックフルーツの木に登ってそこで不気味な笑みを浮かべている彼女を見た」などと言った。
その後、聞いた話によると、彼女の家族は親戚の勧めに従って、畑の一部を売って資金を集め、彼女をタイニン省(ホーチミン市の北部)という所に連れて行きました。
私の村は、そのニュースを聞いてかお金を集めま、彼女にあげました。
今回こそ彼女の病気が治り、彼女の体から幽霊が追い出されるという希望を込めて。
家族は10日後にタイニン省から戻りました。
到着するとすぐに私が駆け寄りました。
彼女の表情は前よりは明るくなりましたが、その目はいつも遠く所を見えました。
彼女の両親が「先生がここまで助けてくれた。あとは運命だ」と言いました。
しかし現在、彼女には幽霊だけでなく鬼までも取り憑いているらしいです。
これを聞いて、みんなは良くなったと思っていただけに怖くなった。
2か月後、彼女はまた発作を起こしました。
この瞬間、彼女は筋肉質の男性と同じくらいとても腕力が強いです。
彼女は仏壇を破壊しながら「復讐しなければならない。あなたたちを平和に暮らせるわけにはいかない」と叫んだ。
彼女の両親は年老いて疲れていて、もう彼女を止める力はありませんでした。
二人は家の隅で座って泣いていました。
彼女は仏壇を壊した後、あちこちをさまよい外に出て行きました。
夜、徘徊していた彼女は知人に会って家まで送ってもらいました。
その時、彼女は力無く生死の境をさまよっていたそうです。
1週間後、彼女は再び家を出ましたが、今度は誰も彼女がどこに行ったのか知りませんでした。
両親はとうもろこしの収穫のため探しに行けませんでした。
両親が家に帰ると、近所の人が慌てて走り込んできました。
彼の報告は、なんと彼女は川岸でミイラのように乾燥して亡くなっていた事を知らせました。
彼女の両親はその知らせを聞いて気を失いました。
葬儀のとき、住職が拝みに来ました。
彼は、彼女が死んだのは鬼に殺されたからだと言いました。
みんなはが怖くて震えていましたが、住職は「みなさん心配しないでください」と言いました。
誰もが自分のカルマがあるので、必ずこの代償は払わなければならない。
もしみなさんが彼女を愛しているなら出来ることは一つ、彼女が早く天国へ行くように祈ってあげてください。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます