第6話

そして僕と遥は、古民家へと向かった。


鏡の中にいるいつきは、一体何者なんだろう。

遥の父さんじゃないのか。

そして僕と遥は、いつきを救うことができるのか?

その答えを求めて、僕らは鏡の前に立った。


遥は、鏡に映る自分の姿をじっと見つめていた。


「いつき… 聞こえる…? 」


遥はそう呟くと、鏡に向かって手を伸ばした。


すると鏡から冷気が流れ出し、古民家は急に寒くなった。

そして、鏡に映る遥の姿が歪み始めたんだ。


「うわ…! 」


僕は、恐怖で言葉を失った。

遥の目が、鏡の中にいるいつきと同じように真っ黒になっていく。


「奏太… 助けて… 」


遥はそう呟くと、鏡の中に吸い込まれていった。

僕は、慌てて鏡に手を伸ばしたが、届かない。


「遥…! 」


僕は鏡に向かって叫んだが、返事はなかった。

鏡は、再び静かになった。

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