第5話

「え…? 」


僕は、驚きを隠せなかった。

遥は、鏡の中にいる少年が、自分の魂だと説明してくれた。

そして僕に、鏡に閉じ込められた理由を語り始めた。

それは、遥の過去に隠された、恐ろしい秘密だった。


遥はかつて、この古民家に住んでいた一家の子孫だと明かした。

彼の家族は昔、鏡の封印を解こうとしたが、失敗してしまった。


そのときに遥の父親が鏡の中に閉じ込められてしまったらしい。

そして遥は、父親の魂を受け継いでしまったんだ。

彼は父親を救うために、鏡の封印を解かなければならない。


でも同時に、彼は鏡に引き込まれる恐怖に怯えていた。

遥は僕に、力を貸してほしいと頼んだ。


「僕と一緒に、鏡の封印を解いてほしい。父さんを助けたいんだ」


僕は、遥の心の底に触れた気がした。

彼への恋心のせいもあったと思う。

でも彼の切実な願いに心を打たれ、本気で助けようと決意したんだ。


「分かったよ、僕も手伝うよ」

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